先月の米アカデミー賞授賞式で米俳優ウィル・スミスがプレゼンターの米コメディアン、クリス・ロックを平手打ちした問題をめぐり、同賞を主催する映画芸術科学アカデミーが処分を検討する中、スミスは1日、同アカデミーの会員資格を返上する意向を示した。

 米誌「ハリウッド・リポーター」が入手したス文書によると、スミスは悲嘆に暮れており、授賞式で自身が犯した行動のいかなる処分も受け入れるとしている。

 スミスは同文書で、「自分の行動は衝撃的で、心痛く、言い訳のできないもので、クリスをはじめ、私の家族、大事な友人や愛する人たち、会場の出席者、世界中のテレビの前の視聴者を傷つけてしまい、アカデミーの信頼を裏切った」と猛省した。

 続けて、「同時に候補者や受賞者が、それぞれの素晴らしい作品をついて祝福し、祝福される機会を奪うことになった。痛恨の極みだ。素晴らしい業績により注目を浴びるべき人たちにもう一度焦点が当たることを希望し、映画の創造性や芸術性を支援するアカデミーには元来の仕事に戻って頂きたい」とつづり、アカデミーからの退会を表明した。

 同アカデミーの理事会は、前代未聞の暴行が起きた先月27日の授賞式の翌日には緊急会合を開き、同30日に総会を招集することで合意。総会ではスミスのアカデミー会員資格はく奪や資格停止など、何らかの処分を18日に行われる次回の総会で決定するとしていた。

 同誌によると、アカデミーを退会するとアカデミー賞の投票資格を失うが、映画に出演する限り同賞のノミネートや受賞対象になることには変わりない。また、今回、スミスが「ドリームプラン」で初のオスカーとなる主演男優賞受賞も取消処分にはならないという。ただ、同誌は、アカデミーが現在検討中の処分については続行されるとしている。