初日3回目、最後の寄席興行のトリは、中川家が務めた。上方伝統のスタイルを継承する兄弟漫才コンビは、10年前の100周年時に比べて「純粋にお笑い好きのお客さんが多くて、盛り上がってくれました。10年前は、もれなく全員すべってましたが…」と笑いながら、コロナ禍にもかかわらず詰めかけた観客に感謝した。

出番後には、ミルクボーイとともに取材に対応。口上では大先輩西川きよしと一緒に登壇したが、弟礼二(50)は「暗くなったらはけてと言われてたのに、きよし師匠はずっと暗い中、1人で立ってはった」と裏ばなしも披露した。

数々の試練を乗り越え、伝説を生み出してきた大師匠の話題に、ミルクボーイの内海崇(36)も「以前『真冬の野外、5000人の前でライブしてきました』言うたら、『さむっ』って。野外の方に響いて、もう5000人どころでは驚かれなかった」そう。

120周年へ向けては、看板、主力へと成長しているはずの2組は、10年後への思いも吐露。駒場孝(36)は「きよし師匠のように、10年後といわず、もっと師匠になっても、いじられるキャラでいたい」。駒場は第1子となる長男が誕生したばかりで「舞台でスベった時とか、赤ちゃんを抱いたら重い…。10年後にはもっと堂々としていたい」とも抱負を口にした。

これに、中川家の兄剛(51)は「そう、重いねん。ズシリと。で、赤ちゃんかわいがるほど、スベんねんな」とポロリ。それでも100周年時の中堅から、110周年で看板へと成長した中川家は、120周年、130周年へと向けて、気負うことなく「ゆっくり、焦らず、変わることなく進んでいきたい」と平常心で歩みたいと話した。