多発性骨髄腫と闘う漫才師、宮川花子(67)が、約3年ぶりに聖地の舞台へ登場。19年5月20日以来のNGKで、おなじみ速射トークの健在ぶりを見せた。

寄席3興行が予定される千秋楽の初回公演、吉本新喜劇へ、夫の宮川大助(72)、故笑福亭松之助さんの長男、明石家のんき(54)とともに現れた。

車いすの外側に赤い車を描いた特製カバーをつけ、大助、のんきから「あねさーん」と呼ばれると、「お待たせー」と会場内に響き渡る声で舞台中央へ向かってきた。

川畑泰史を見るやいなや「(自称ギャグの)おにぎり!」とつっこみ、間髪入れずに「ここ3年ぶりやわ~」。19年6月以降、闘病を続けているが、現在は寛解状態にあり、月1回の投薬治療はあるものの、状態は落ち着いている。

達者なしゃべりはさらに磨かれ「110周年いうて呼ばれて、1人でええ言うたんですけど、うちの夫もきました。この人、一応ね、二刀流なんですよ。庭掃除もやるし、家のこともやるし。本職は何か知らんけど」。客席はドッとわきあがり、拍手喝采を浴びた。

楽屋では久々に会った芸人仲間から「元気?」と聞かれたが「違う、ビョーキ」と返すなど、久々とは思えない会話のテンポ。舞台でも、赤いスーツののんきに「(車の)かぶってるやん。分かってたやろ」とつっこみ、大助、のんきは、ほぼしゃべる場面なし。辻本茂雄から「せっかくやし、しゃべらせたって」とお願いされ、のんきに機会を与えたが…。

父松之助さんは、明石家さんまの師匠として知られる落語家ながら、吉本新喜劇でも活動しており、実は初代の座長でもある。のんきは「ぼく、一応、初代座長のせがれで…」と言い始めたが、花子は「(のんきは)一応、落語家。だって(落語を)聞いたことないもん。あ、聞いたことあるわ。けど、笑(わろ)たことない」と、スパイスをきかせたしゃべりで、またまた場内をわかせた。

結局、大助、のんきにはほぼしゃべらせず、手を振って舞台を降りた。