なぜ石井慧はKOしながら肋骨骨折を喫したのか――。〝バカサバイバー〟こと青木真也(38)が緊急毒ガス分析だ。

 立ち技格闘技「K’FESTA.5」(3日、東京・国立代々木競技場第一体育館)の無差別級トーナメントに出撃した総合格闘家の石井慧(35)は、1回戦で実方宏介を左フックで下しKO勝ちした。しかし殴った瞬間にヒザ蹴りを脇腹に突き刺され悶絶。カウンターの一撃で肋骨を骨折し、ドクターストップで続く準決勝は棄権となった。

 この一戦を青木は「あれはムエタイのセオリーです」と断言する。前に出てくる相手に合わせ相手をつかまずに放つヒザ蹴り「テンカオ」だとして「石井さんみたいなパンチの選手にヒザを合わせるのってムエタイではセオリーなんですよ。『サウスポーVSオーソドックス』は特に。ただ、この戦法はK―1ルールで不利に働くことが多いから、一発勝負の賭けに出たんだと思う」と分析。相手の攻撃を受けながらの戦術になるため「そもそもトーナメント向けじゃない。石井さんを倒すことに照準を絞った刺し違えることも辞さない戦い方だったんだと思う」と声をしゃがれさせた。

 試合後には実方も「(石井の)おなかが弱いのが分かっていたので、三日月蹴りやヒザを合わせるのを狙っていました。(トーナメントではなく)石井選手のことだけを考えて練習していました」とコメントを残している。

 なおこの日、呼ばれてもいないのに会場を訪れた青木は、解説席に先日敗北を喫した秋山成勲が座るのを見て「これが勝者と敗者の明暗なんだな」とポツリ。勝手に感傷的になると「俺なんて昨日、RISEで解説をしたら、ファンから『つまらない』とか『辞めろ』とか言われてしまった。向いてないんだろうな。だったら、これからは何を仕事にしたらいいんだ。鈴木秀樹のマネジャーとかなれないかな」と、ひとりごちて会場を後にするのだった。