社会学者で作家の古市憲寿氏が4日「めざまし8」(フジテレビ系)に出演し、公園での花見をめぐり制限を続ける台東区を批判した。

 番組では、コロナ禍前は花見で知られた台東区の上野公園がコロナ対策として酒類を伴う宴会やシートなどを広げての飲食は自粛が呼びかけられる様子を紹介。だが、台東区と墨田区にまたがる隅田公園では同じ公園にもかかわらず、墨田区側にはシートを敷いて花見を楽しむ多くの人の様子をリポートした。これは墨田区では、公園内での飲酒については自粛を求めているが、シートを広げての飲食は制限されていないためだという。

 番組MCの俳優・谷原章介は「2年前、コロナのことを知らなかった時と、2年間かけてウイルスの特性を学んできて、経済活動の弊害なども知ったうえで、まん防(まん延防止等重点措置)が解除されても区によってルールの違いがある。どう思いますか」と話を向けた。

 古市氏はこれに「ゴールを考えない規制ってバカのすることかなと思う。台東区なんかもコロナ対策と言ってますけど、台東区のゴールって一体何なんでしょうね。世界中からコロナが根絶されるまで、そんなことは無理ですけど、その日まで花見の制限をするのか、それとも単純に世の中の空気を見てるだけで、大した深い考えもなく、オープンエアの場所でシートを広げてごはんを食べることが、普通に飲食店で食べることと比べてどれくらい危険なのかというのをちゃんと吟味したうえで考えているとは到底思えない」と批判した。

 さらに「どうしても思い出しちゃうのは、10年くらい前の心臓ペースメーカーの話。技術が進歩して満員電車の中で使っても問題なくなっていたにもかかわらず、日本はずっと最後まで『電車の中では携帯電話の電源を切ってください。なぜなら心臓ペースメーカーの方がいます』とペースメーカーを使っている方を言い訳にしていた。今のコロナ対策も同じ感じになっているんじゃないかと思う。本当のコロナ対策じゃなくて、マナー違反、ルール違反とか違う何かを規制したいためにコロナが都合よく、もしくは何も考えもなく惰性でコロナ対策だからダメと思考停止しちゃってる、ちょっと頭の悪い行政の方がまだまだいるのは心配だなと思いました」とも語った。

 一方、花見そのものについて古市氏は「いわゆる昭和型のお花見は好きじゃないんです。ブルーシートというのは景観的にもきれいじゃないし、おじさんたちがお酒たくさん飲んでるのって、僕は別に守りたい文化ではないんですが、コロナ対策という意味ではなく、違う意味も含めて規制、ルール作りをしていけばいい。コロナ対策という一言でスキープ(省略)されているのが違和感がありますね」とも話していた。