新日本プロレスのグレート―O―カーンが4日、神奈川県中原警察署で感謝状を贈呈された。

 オーカーンは3月29日に神奈川・川崎市内のJR武蔵小杉駅構内で泥酔した61歳の男性から迷惑行為を受けていた女児を救出。さらに救出後の女児に「怖かったよな。パンケーキあるけど食うか?」と呼びかけ恐怖心を和らげていた〝神対応〟も話題になり、各方面から称賛の声が相次いだ。

 贈呈式では大坪剛志署長から「被迷惑者を救助するとともに同事件の被疑者検挙に寄与されました。その功労は多大であります。ここに感謝の意を表します」などと感謝状を読み上げられた。賞状を丁寧に受け取ったオーカーンは「このような式を開いてくれた警察の方々に感謝の意を表明したい。余はたまたま一度きり、平和を守った形にはなったが、警察の方々は毎日やられていることだ。本来もらうべきではないし、大したことをしたつもりはないけども、いいことをすればいいことが返ってくる。そういうことを示すことができ、また防犯意識につながればと思い、その部分を誇らしく思っておる」と返した。

「今『余』って言った?」。そんな声なき声と共に一部の報道陣から二度見される中、オーカーンは女児救出時の様子を身ぶりを交えながら説明。さらにこれまでも同様なトラブル解決に動いたか問われると「余は記憶を失っていて、2018年6月11日以前のことは覚えておらぬが、プロレス会場の前で暴力をふるっている一般人を取り押さえたこともあるし、お客同士のいざこざ、ケンカを止めたこともあるし、マナー違反を注意したこともある…ような気はする」と明かした。

「記憶を失っている?」。戸惑いが警察関係者に広がったような気がする中、「今回(加害者は)そう暴れはしなかったが、たとえ凶器を持って暴れようが取り押さえる自信はあった。新日本プロレスで甘っちょろい練習はしたことがないからな。これが余ではなくても、新日本のプロレスラーなら全員できている。ただし1個、余がその辺の〝愚レスラー〟と違うのは、幼子や母親、そして加害者へのケアまでできることだ」と胸を張った。

 最後にオーカーンは9日の東京・両国国技館大会でユナイテッドエンパイアのジェフ・コブと組んで後藤洋央紀、YOSHI―HASHI組のIWGPタッグ王座に挑戦することを告知。感謝状を見つめ「すでにベルトよりも誇らしいものを持っているが、本職でも〝宝物〟を手に入れようと思う」と必勝を誓った。