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「ウルトラマンダイナ」つるの剛士、リョウとの約束果たしたい 25周年で語るアスカの旅の終着点

つるの剛士&ウルトラマンダイナ

 特撮ドラマ「ウルトラマンダイナ」(1997~1998)が放送25周年を迎え、テレビシリーズ全51話が定額動画配信サービス「TSUBURAYA IMAGINATION」で配信される。配信開始にあたり、主人公アスカ・シン/ウルトラマンダイナ役のつるの剛士がインタビューに応じ、テレビシリーズ当時のエピソードや、自身が考えるアスカの未来について語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

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■今もアスカのように父の背中を追いかけている

スーパーGUTSのメンバー

Q.「ウルトラマンダイナ」25周年おめでとうございます。テレビシリーズから25年が経過しましたが、改めてつるのさんにとって、アスカ・シンというキャラクターはどのような存在なのでしょうか?

アスカは僕自身ですね。「ウルトラマンダイナ」は当時の1ページといいますか、自分の成長記だと思っています。「ウルトラマンダイナ」は、僕にとってドキュメンタリーです。なので、アスカはもちろん、ウルトラマンダイナにも恥じないように生きていかなきゃいけないなと思っています。

Q.アスカはテレビシリーズ最終話「最終章III 明日へ…」でシリーズ史上あまり類を見ない衝撃的な結末を迎えました。25年経った今、改めて最終話を振り返って思うことはありますか?

いろいろ複雑でした。テレビシリーズが終わってしまう、スーパーGUTSともこれで会えなくなるのか……という寂しさがありましたね。実は最終回の後、親父が肺がんで他界したんです。僕の境遇が、本当にアスカと似ているんですよ。僕も未だに親父を追いかけていますから、父・カズマを追いかけているアスカの姿とリアルに重なるんです。すごく不思議だなと思います。

Q.「ウルトラマンダイナ 25年目の証言録」(八木毅編著/立東舎)では、笈田雅人(おいだ・まさと)プロデューサーが、アスカは“死”ではなく“ステップアップ”したとお話しされていました。

僕も同意見です。アスカも次の次元といいますか、人間の世界とはまた別の次元に行き、その世界を旅していると思っています。他の作品にアスカが登場するたび、「今のアスカは多分こうなっていると思うので」ということを監督とお話ししたり、脚本において「アスカは今こんな感じではないと思う」と感じたら、脚本家に「僕はこうなっていると思います」と相談をさせてもらっています。どんな役を務めても、どこか奥にはアスカがいるんです。ウルトラマンシリーズで声をかけてくださる時、僕自身アスカ以外は演じたくないと思っています。「別の世界で隊長を演じてください」というのも嫌ですね。アスカはアスカなので。そういったところは大切にしています。

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■アスカの旅の終着点=人生の終着点

『ウルトラマンサーガ』でのアスカ

Q.「ウルトラマンダイナ」の後日談が描かれた映画『ウルトラマンサーガ』(2012)では、つるのさんが「スーパーGUTSのメンバーとアスカが再会してもう一度戦う」という案に待ったをかけたそうですね。あの時点では、スーパーGUTSとの再会は避けたかったのでしょうか?

『ウルトラマンサーガ』の時は「ダイナ」が終了して10年以上が経っていましたからね。そこまで旅をして、僕やアスカもかなり成長していたので、その期間を無駄にしたくなかったといいますか、今アスカが地球に帰ってきて、もう1回スーパーGUTSとして一緒に戦っていいものなのかっていうのは、結構迷ったんです。僕だったらスーパーGUTSのメンバーには(アスカの世界へ)来てほしいと思ったので、「もう1回宇宙へ帰らせてください」と頼みました。旅立ったアスカが、もう一回地球に帰ってきてスーパーGUTSとして働くというのが、当時腑に落ちなかったといいますか、少し違和感がありました。

Q.つるのさんご自身は、アスカの旅の終着点を考えたことはありますか? もし「ウルトラマンダイナ」の続編が製作されたら、成長したアスカとしてスーパーGUTSのメンバーと再会したいですか?

アスカの旅の終着点は、自分の人生の終着点だと思っています。「ダイナ」の続編があるのならば、リョウ(斉藤りさ)には絶対会いたい。他のメンバーにも会いたいですけど、アスカは最終話で結んだリョウとの約束を果たせていないので。今のリョウなら、アスカの世界に来られる域に達しているんじゃないかなと思っていますけどね。

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■ダイゴ・長野博とアニバーサリーイヤーに再会

ティガに続く形で誕生したウルトラマンダイナ

Q.「ダイナ」には傑作と呼ばれるエピソードが多数存在します。「25年目の証言録」でキャストやスタッフの多くが挙げていたのは、第25話&第26話「移動要塞(クラーコフ)浮上せず!」です。移動基地クラーコフが浸水してしまう内容ですが、水を大量に使った撮影は今でも覚えていますか?

当時真冬だったんですよ! めちゃくちゃ寒かった思い出がありますね。スタッフさんが一生懸命スタジオを暖めてくださっていたのを覚えています。水がブワッと敷かれた状態での撮影は大変でしたが、あの回では人間サイズのダイナも登場しますし、面白い演出がたくさんありました。スーパーGUTS全員、あのエピソードではアツかったですよね。それぞれに役割があったし、あのエピソードで結束が強まったのは間違いないです。

Q.「ウルトラマンティガ」のGUTSメンバーがゲスト登場した、第35話&第36話「滅びの微笑」前後編も伝説の回です。GUTSとの共演はいかがでしたか?

当時は複雑でした。「ウルトラマンティガ」は作風がシリアスだった一方で、「ウルトラマンダイナ」は少しポップになったじゃないですか。放送当時は「ティガの方が良かった」「ティガの世界観を壊してほしくなかった」と賛否があったんですよ。僕らも当時若かったので「何言ってんだよ! ダイナにしてくれよ!」みたいに思っていたり、スタッフさんにも「ティガ」のジャンパーを着て 、「ダイナ」の現場に来ている人もいて……。(笑)「またティガ引きずってるわ……」とか言いながら(笑) 世界観が繋がっている作品なので、色々あったんですよね。でも、当時は世界観が繋がるシリーズってなかったじゃないですか。続いている作品とはいえ、私たちは私たちで頑張っているんだから、ちょっと出てこないでよみたいな。「クソ、負けてられるか!」みたいな思いはスーパーGUTSのメンバーも感じていたんじゃないかなと思います。とはいえ、ウルトラマンティガはやっぱりカッコいいですよね!

Q.第50話「最終章II 太陽系消滅」と第51話「最終章III 明日へ…」には、長野博さん(マドカ・ダイゴ/ウルトラマンティガ役)がゲスト出演しました。お二人は昨年、釣り番組で再会していましたが、25年経った今でも長野さん=ダイゴとして意識していますか?

僕にとって、ウルトラマンシリーズでの長男はダイゴ/長野くんなんです。平成シリーズで見ると、僕の先輩は長野くんしかいないんですよね。ウルトラマンの後輩たちから、“先輩”と呼ばれるのはすごくありがたいですけど、僕にも先輩がいて、その先輩とはなかなか会えずで……。だから、長野くんはすごく先輩感があります。いろんな番組でお会いしますが、二人並んでというのがあまりなかったので、去年の番組で共演した時は「先輩!」って思いました。スタジオに向かうまでに二人で話していて、「(ウルトラマンとして)戻ってきて下さいよ! 僕たち25年間(現場を)温めているんで、いつでも帰ってきてください!」って伝えたら、「そりゃそうだよ! 僕も行きたいよ!」と仰っていましたね。

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■アスカの言葉を基準にしながら歩む人生

持参したリーフラッシャーでポーズを決めるつるの剛士

Q.そのほか「ウルトラマンダイナ」で印象に残っている放送回・怪獣はありますか?

ハネジローですね。実はテレビシリーズが終わってから、ハネジローに会えていないんですよ。めちゃくちゃ会いたいです! この間「ウルトラマンクロニクルD」を観ていたら、ハネジローが登場したんですよ。ハネジローは地球にいる! と思って、何とか会えるかなと思っています。テレビシリーズ当時、僕はネコを飼っていて、見た目もハネジローみたいだったので、いつも思い出しちゃっていましたね。

それと第20話「少年宇宙人」に登場したラセスタ星人。ラセスタ星人/悟を演じた崎本大海くんは、後にクイズ番組で一緒にユニット組んで、歌も歌っているんですよ! 本当に偶然だったんです。最初は気づかなくて、番組収録で崎本くんから「つるのさん、覚えていますか? ウルトラマンダイナで共演させてもらっていました」って言われて、帰って名前調べてみたら、ラセスタ星人の子役で「えぇー、ラセスタ星人じゃん!」って驚きましたよ。すぐ彼に連絡して、「こんなお兄さんになったんだ」と伝えました。

Q.アスカはテレビシリーズで数多くの名言を残してきました。一番印象に残っているアスカの名言はありますか?

僕がよく言われるのは「本当の戦いはここからだぜ」「無茶かもしれないけど無理じゃない」「絶対に諦めないぞ」の三本柱です。よく考えると、自分の分岐点で絶対していることなんですよね。何をする時も「アスカだったらこう言うだろう」みたいなことを実践しているので、本当にアスカのおかげです。毎回「ここだったらアスカは何て言うかな」「アスカだったら、こっちの道へ行くだろう」みたいに、アスカの言葉を基準にして人生を歩んできました。

Q.「ウルトラマンダイナ」は30年、40年とこれからも愛され続けます。アスカとして、ウルトラマンダイナを次世代にどう残していきたいですか?

先ほどもお話したように、「ウルトラマンダイナ」はアスカの成長記であり、僕の成長記でもあります。僕は今年47歳になりますが、未だに「ダイナ」はドキュメンタリーだと思っています。脚本で描かれたキャラクターに沿って自分が演じるのではなく、みんなで作り上げていこうという思いで演じました。脚本家の皆さんも各登場人物の特徴をしっかりと汲み取ってくださり、みんなで作り上げたキャラクターだと思っています。「ウルトラマンダイナ」が全てのスタートであることを是非感じていただいて、それから続く成長記をこれからも応援していただければと思います。

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 取材当日は変身アイテム「リーフラッシャー」とウルトラマンダイナのフィギュアを持参し、インタビュー中も離さず握っていたつるの剛士。アスカを思う気持ちは25年間変わらぬどころか、さらに強くなっている印象を受けた。光となったアスカは、今どこを旅しているのだろうか? スーパーGUTSがアスカに追いつく瞬間が訪れることを、これからも楽しみに待ち続けたい。

「ウルトラマンダイナ」テレビシリーズ(全51話)は4月1日より「TSUBURAYA IMAGINATION」にて、スタンダードプランは毎週月曜日に4話ずつ更新、プレミアムプランは4月1日(金)から全51話一挙配信

(c)円谷プロ

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