狂言師の野村萬斎(56)が5日、東京・中央区のGINZASIXにある観世能楽堂で、公演「能狂言『鬼滅の刃』」の制作発表会見に出席した。

 集英社の「週刊少年ジャンプ」で掲載された「鬼滅の刃」を原作とした能狂言公演。

 鬼舞辻無惨などの3役を演じる野村は「白い帽子の代わりに、白い着物にした」と衣装のポイントについて語った。

 原作については「するどい絵のすばらしさが目に飛び込んでくる。そこに描かれているストーリーが、ある種日本に根ざした展開であり、基本的に鬼が主題になっていて、能の世界に近いなという印象」と話した。

 野村は演出も担当。「能狂言を見慣れた方には、珍しい演出もある。扇子を扇や剣に見立てたり、想像力にうったえるようになると思う」と説明した。

 また、野村はこの日が誕生日。今後については「新しいことをやりたい。家族からはまだこれから。娘からまだひと言もないですけど…」と笑わせた。

 竈門炭治郎、竈門禰豆子役を務める大槻裕一(24)は「役作りみたいなものはあまり普段しない。新作能ということで、普段の能とは違ったアプローチができれば。共通すればいいなと思っているのは、炭治郎は修行を通じて成長をしていく。なんとなく修行というのが、私個人とリンクすれば」などと語った。