園子温監督(60)が6日までに所属事務所の公式サイトを更新し、4日に「週刊女性PRIME」で女優に性加害をしたと報じられた件で、直筆のメッセージを掲載し「ご迷惑とお騒がせをしてしまいました」と謝罪した。一方で「事実と異なる点が多い」とし、法的措置を取る考えも明らかにした。文書は5日付。

園監督の謝罪文掲載に先立ち、アクション俳優の坂口拓(47)が5日夜、自身のYouTubeチャンネルに動画を公開。「週刊女性PRIME」の中で、約10年前に俳優を集めた飲み会を自宅で開催した俳優Tが、参加した女優を後日、園監督に引き合わせた結果、性加害につながったなどと報じた件で、俳優Tが自分であると認め、謝罪した。

坂口は黒のスーツとネクタイを着用し、神妙な面持ちでカメラの前に立った。そして「今回、皆さんに謝罪したいことがあり、動画を回しています。4月4日に某監督が女性に対し卑猥(ひわい)な行為をした、その飲み会の席にTという人物がいたと書かれていました。その人物は私、坂口拓です。10年前のこととはいえ不快な思いをさせた方がいたとしたら、この場を借りて謝罪します。大変、申し訳ありませんでした」と頭を下げた。

その上で、坂口は「今回は自分の話をします。10年前のことなんで細かいことは覚えていないんですけど、私を含めて若手の役者さんの飲み会を何回か行っていたのは事実です。私としては全く後ろめたいことはなくて、応援したい役者さんを飲み会の場を通じて縁が広がったり、仕事がつながったり、頑張ってくれたらいいなという思いだけでした」と飲み会開催の趣旨を説明した。そして「飲み会の場でも全員が楽しめるように、嫌な思いをする人がいないようにと注意を払っていたんですけど、このような状態になって後悔しています」と続けた。

「週刊女性PRIME」では、俳優Tの飲み会に参加した女優が帰ろうとすると、Tの後輩の俳優に強引に引き留められた上に後日、謝罪したいと言うTと食事した後、園監督のマンションに連れて行かれた、などと報じている。坂口は「当時の私は苦しい状態にありましたが、周りに少しでも何かを与えられる人間になればという思いで、頑張っている人に対してそういう場を設けて、映画作りに少しでも手助けできればという思いでやっていました」と説明。その上で「それが、きっかけで嫌な思いをさせた人がいれば、それは私の責任です。大変、申し訳ありませんでした。このことを真摯(しんし)に受け止めて十分にやっていきたい」と反省の言葉を重ねた。

そして「今回の記事によって心配のコメント、メッセージを多数、いただいております。ネット上で、さまざまな情報が飛び交っております。不安や不信感を与えてしまったことは大変、申し訳ありませんでした」と繰り返し謝罪。「今回の件を受けて、反省すべきことは反省して、今後の俳優活動に本当に、もう1度、襟を正し、全身全霊をかけてアクション俳優・坂口拓は走り続けます」と今後も活動を続けることを強調した。

坂口は、米俳優ニコラス・ケイジを主演に起用した、21年の園監督のハリウッドデビュー作「プリズナーズ・オブ・ゴーストランド」や、13年にベネチア映画祭オリゾンティ部門に出品された「地獄でなぜ悪い」など、同監督作品への出演歴がある。