毎年、桜の季節に都内23区を1カ所ずつ23年かけてまわるという長良グループ主催のコンサートイベントで、今回で21回目を迎える「第21回・長良グループ 夜桜演歌まつり~熱唱春の祭典スペシャル~都内23区・23年をかけて」が6日東京・足立区の西新井文化ホールで昼夜2公演行われた。

演歌活性化を目的に、売り上げの一部を開催区に寄付するというチャリティー活動も兼ねて2000年の北区(赤羽会館)からスタート。19年(4月11日に杉並区の杉並公会堂で)の20回までは毎年、順調に実施されてきたが、新型コロナの影響で20年、21年と2年連続で中止となり、今年が3年ぶりの開催。

出演者は、最年長の藤野とし恵(75)をはじめ、田川寿美(46)水森かおり(48)氷川きよし(44)椎名佐千子(39)岩佐美咲(27)、はやぶさのヒカル(34)とヤマト(28)、そして最年少の辰巳ゆうと(24)まで長良グループ所属のアーティスト全8組。そのうち氷川は、「声帯ポリープ」治療中のため歌唱はできなかったが、久しぶりにファンの前に元気な姿を見せた。

約900席の会場は、昼夜2回公演合わせて約1800人のファンが詰めかけ、マスク越しに静かに心の中で声援する中、出演者全員で昭和の名曲「青い山脈」を歌ってオープニングの幕を開けた。その後、氷川が笑顔を見せながら「のどの手術でポリープを2つ取りました。無事にまた明るい声になりましたので、今日は歌えないんですけれども気持ちは皆さんとつながっています。あともうちょっとすれば歌えるようになりますので、その日まで楽しみにしていてください」と明るく話し、ファンを安心させた。

また、水森は「こうしてお客さまが目の前にいてくださるのは、われわれ歌い手にとっては最高のエネルギーになりますので、行われなかった(2年間の)分まで感謝の気持ちを込めてみんなで一生懸命頑張ります」、藤野は「皆さまと一緒にまたこのステージに立たせていただいて、今日はいっぺんに春が来ました」、田川は「1年に一度、桜の花を見ると、一生懸命咲いているんだなという励みになりますし、癒やされますよね。その桜をテーマに『夜桜演歌まつり』がスタートして、大好きな歌仲間とご一緒できることも幸せですし、何よりもこうして来てくださる方がいてくださるのが感激です。本当にようこそお越しくださいました」とあいさつ。

それぞれの代表曲から田川が「楓」、辰巳が「下町純情」、藤野が「女の流転」、水森が「鳴子峡」、はやぶさが「恋のすみだ川」、岩佐が「無人駅」、椎名が「御意見無用の人生だ」を歌唱。そして、今回歌唱ができない氷川に代わり、他の出演者全員で「きよしのズンドコ節」を披露した。

その後、ステージ上で同公演の収益金の一部を足立区に寄付する式典が催され、長良グループを代表して田川が、足立区社会福祉協議会の小久保隆会長に寄付金を手渡し、小久保会長からは長良グループあてに感謝状が田川に渡された。

後半は、各アーティストの新曲から田川が「雨あがり」、はやぶさが「サンキュ!ピースfeat.辰巳ゆうと」、岩佐が「アキラ」、藤野が「潮鳴り岬」、椎名が「面影みなと」、辰巳が「雪月花」、水森が「九十九里浜」を熱唱した。

エンディングでは出演者全員が勢ぞろい。辰巳は「今日は皆さま、最後までお付き合いいただきありがとうございました」。はやぶさのヤマトは「ありがとうございました」、ヒカルは「お客さまの前で歌わせていただき、逆にエネルギーをいただきました」、岩佐は「皆さまに直接歌を聴いていただくのが、自分にとってすごく幸せなことだなと改めて感じました」、椎名は「今日は幸せいっぱいの時間をありがとうございました」。

続いて、氷川は「殺伐とした時代ですが、一人一人が思いやり、愛を持って生きていきたいなと思います」、水森は「また皆さまとこうして『夜桜演歌まつり』のステージでお会いすることができ、笑顔満開の最高のひと時をありがとうございました」、藤野は「これからも年齢に負けずに頑張りたいと思います(笑い)」、田川は「今後の活躍も皆さまに応援していただいたうえで、歌を通して一人でも多くの方が『よーし、明日も頑張るか!』という気持ちになっていただければうれしいです」と感想を述べた。

この日の模様は、8日午前10時から17日午後11時59分まで、PIA LIVESTREAM(税込み2500円)で動画配信される。

なお、同演歌まつりは、豊島区と世田谷区の2カ所を残すのみとなった。