阪神は6日のDeNA戦(甲子園)に1―6で完敗。1―0と1点をリードして迎えた9回二死から同点に追いつかれた上、総力をつぎ込んだ延長12回にリリーフ陣が決壊する悪夢のような展開。矢野燿大監督(53)も「最後はピッチャーで負けたけど、(打線にもあと)一本が出なくて。そこは課題として開幕からある」と力なく言い残し球場を後にした。

 今季初勝利を挙げた前夜のカード第1戦の勢いを持続することができず、チームは1勝10敗でぶっちぎりの最下位。試行錯誤しながらも就任1年目の航海へとこぎだした新庄ハムよりも勝ち星が少ない現状はあまりにも受け入れがたい。ここからの巻き返しを期すため、チーム内からは〝起爆剤〟の投入を望む声が早くも上がっている。チームにとって最後の切り札とも言える「8人目の外国人」の獲得だ。

 嶌村球団本部長は昨季に引き続き8人の外国人を支配下に置く考えを明言していたが、マルテ、ロハス、ガンケル、チェンに加えケラー、ウィルカーソンの計7選手を確保して以降は新外国人選手獲得への動きを一時〝凍結〟。昨年末の時点で「今、取りにいくことはない」(嶌村本部長)と明言し、8枠目はシーズン中に発生し得るであろう〝緊急事態〟に備えた予備枠として空けておく考えを示唆していた。

 開幕から続く手痛い失速に加え、新守護神候補として獲得したケラーは調整不足を露呈し先月31日には早々に登録を抹消。打線の核として期待されたロハスは打率0割9分1厘と低迷。昨季は一塁手としてベストナインに選ばれたマルテも右足のコンディション不良訴え戦線を離脱。誰が想像するよりも早く〝緊急事態〟が訪れてしまったことを受け球団関係者も「早く新しい外国人を取ってもらわないと…。とはいえ補強したいポイントが多すぎて、誰を取るべきか分からへん…」と天を仰ぐ。

 藤原オーナーも4日に報道陣の取材に応対し、新戦力の獲得について「必要とあればバックアップしていく」と明言。借金が日に日に増え続ける状況の中、〝次善の策〟を打たねば悲願の17年ぶりVはますます遠のいていってしまう――。