米映画「トランスフォーマー」シリーズなどで知られる米国のマイケル・ベイ監督(57)が、先月末にロサンゼルスで開催された第94回アカデミー賞授賞式で起きた俳優ウィル・スミス(53)のビンタ事件について、「どうでもよいことだ」と語った。

新作映画「アンビュランス」の公開を前にインタビューに応じたベイ監督が、「バッドボーイズ」(1995年)とその続編でタッグを組んだスミスについて問われ、語ったもの。「一緒に仕事をしたことがあるが、彼はそんなことをするような男ではない。冷静さを失ったのを見たことがない。(自身の)セットでは他の人と冗談を言ってふざけているのを見たことがある。(授賞式でも)笑っているのを見たので、演出だったと思った。パンチではなく、平手打ちだった」と擁護する場面もあったが、「そもそも間違っている」とクリス・ロックに平手打ちにした行為を批判した。

その上で、スミスの平手打ちが大騒動になっていることに関しては「どうでもよいことだ」と語り、「ハリウッドは自己中心的だ。今、(ロシア軍に侵攻された)ウクライナでは赤ちゃんが爆撃されて亡くなっている。我々はそのことについて話し合うべきだ」と述べ、世界にはもっと目を向けるべき問題が他にあるとの考えを示した。

スミスは事件を受けてアカデミーを退会したが、18日に開催される次回理事会で資格停止や除名など厳しい処分が下される可能性もある。(ロサンゼルス=千歳香奈子)