WBAスーパー&IBF世界ミドル級タイトルマッチ(9日、さいたまスーパーアリーナ)の記者会見が7日、都内で行われ、WBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(36=帝拳)が念願の一戦へ心境を語った。

 長年、対戦を臨んできたIBF世界ミドル級王者のゲンナジー・ゴロフキン(39=カザフスタン)と会見場で並んだ。村田は「こうやってゴロフキン選手と日本で試合ができるってことはすごくいい巡り合わせ」と感慨深げ。新型コロナウイルス禍で大会が実現することに「実際に12月末の試合が流れてしまって。ホントにいろんな条件が揃わないとできない、リスクがある中で試合を組んでくださった皆さん、会場に来てくださる皆さまにも感謝します。だからこそ素晴らしい試合をお届けします」と話した。

 延期による利点もあった。村田は「時間ができた分、スパーリングの量、実戦練習が長い期間できた。すごくいい感じがつかめて、いいトレーニングが積めたと思います」とプラスにとらえた上で「あとはあさって(9日)のリングで出るかどうか。それは神のみぞ知ること。今、出しますとお約束できることではないんですけど」と揺れる思いも吐露した。

 以前、ゴロフキン戦について「実現したことで満足する自分」を想像。燃え尽きることだけは避けたいと強く自分に言い聞かせていた。この日も村田は言葉を選びながら、複雑な心境を説明した。

「今日、明日、あさってといろんな感情が動くと思いますね。一定ということはないと思う。その感情を今、予測することはできない。言うとウソになってしまう。明後日、リングに立つ瞬間にどういう感情になっているかはその場で感じたいですし、その感情の動きを自分自身しっかり見ていきたい。自分自身を俯瞰していきたいなと思います」

 追いかけ続けた憧れの相手とようやく拳を交える。その高揚感を内に秘め、村田は決戦へ向かう。