女優の鳳恵弥らが、7日に亡くなった人気漫画家の藤子不二雄Aさん(本名・安孫子素雄=享年88)を悼んだ。

 鳳らは漫画家えびはら武司氏の原作「まいっちんぐマンガ道」を俳優の亀吉主演で昨年2月に舞台を行っていた。「まいっちんぐマンガ道」は〝藤子の最初の弟子〟と呼ばれる、えびはら氏の藤子スタジオでのアシスタント時代のエピソードを描いたストリーとなっている。

 鳳は「子供の頃からテレビにかじり付くように観ていた名作たち。その産みの親とその時代を彩った方々とまさか数十年の時を経て作品の中でご一緒出来たのは夢のような体験でした。作品内とはいえ同じ時代を過ごしましたので、いつでも格好良く偉大だった父親を失ったようで悲しいです。ご冥福をお祈りしますと共に愛読者の末席にいる者として有難う御座いましたとお伝えしたいと思います」。

 主演でえびはら武司役を演じた亀吉は「突然の別れに愕然としております。えびはら武司先生のご縁で始めさせて頂いた舞台『まいっちんぐマンガ道』シリーズ。コロナ禍で始まった作品だからこそ、とびきりの笑顔と希望をお伝えしたく始まりました。シリーズは本当に好評で、コロナが明ければA先生や藤子スタジオOBの方々にも観に来て頂こうとえびはら先生ともお話をしていただけに本当に無念です。寝食を忘れて働くことが良くないことのようにされてしまう昨今ですが、仕事も遊びも分別なく全力投球だったA先生のお姿を少しでも今に伝えていけるようにシリーズ続けて参ります。心よりご冥福をお祈りします」とシリーズの継続を誓った。

 演出家のIKKANは「藤子不二雄A先生。お悔やみ申し上げます。寂しいです。えびはら武司先生原作の『まいっちんぐマンガ道』を舞台化させていただきました。藤子スタジオでのエピソードはもちろんのこと、多くの紙資料や映像の中に垣間見られる当時のお人柄。脚本を書きあげていく中で気づかされたのは、藤子・F・不二雄先生へのたくさんの愛情でした。もっともっと、たくさんのお話を伺いたかったです。合掌」とコメントを寄せた。