米俳優ウィル・スミスによる平手打ち問題で米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは8日(日本時間9日)、スミスを向こう10年間、同アカデミーが主催する全ての行事に参加することを禁じるとする処分を発表した。

 アカデミーは18日に予定されていた理事会で処分を決定する予定だったが、スミスがすでに謝罪した上でアカデミーを退会したことから、デビッド・ルービン会長は理事会を8日に前倒しした。

 理事会は同日発表した声明で、「第94回アカデミー賞授賞式は、前年に素晴らしい功績を残した私たちの業界の多くの人たちを祝福するはずだった。ところが、その瞬間はスミス氏が壇上で示した受け入れられない暴力により霞んでしまった」と非難した。

 声明はまた、生放送中に起きた今回の出来事について、「会場で起きたことを放送で十分説明できていなかった」として反省し、出席者や視聴者に謝罪した。

 スミスはアカデミーからの退会を表明した際、「アカデミーの信頼を裏切り、ほかの候補者や受賞者が、彼らの並外れた功績を祝福する機会を奪い取ってしまった」と、「理事会が適切と判断するいかなる追加処分も受け入れる」とし、陳謝した。

 先月28日に行われた授賞式では、壇上のプレゼンター、クリス・ロックが客席にいたスミスの妻ジェイダ・ピンケット・スミスの髪型をネタにしたことからスミスが激怒。おもむろにステージに上がり、平手打ちを一発見舞った。ジェイダは近年脱毛症に悩まされているという。