WBO世界フライ級タイトルマッチが9日、さいたまスーパーアリーナで行われ、王者・中谷潤人(24=M・T)が挑戦者の同級2位・山内涼太(27=角海老宝石)を8R(ラウンド)TKOで撃破。2度目の防衛を果たし、プロ23戦全勝(18KO)と無敗街道を突き進んだ。

 序盤から多彩なパンチを叩き込み、相手にプレスをかけた。中盤からさらにギアを上げた王者は第7R(ラウンド)で強烈なパンチを山内の顔面へヒット。手を止めない中谷は第8Rでも防戦一方の相手を攻め続け、ついにレフェリーが試合を止めた。

 試合後、王者の口からは「収穫」という言葉が出た。勝利を目指す中で新たな〝引き出し〟を模索したという中谷は「スタミナだったり、ペース配分しながら詰めていけた」「くっついても離れてもって、試しながら組み立てていけた」と振り返った上で「すごい収穫がありました」と満足げ。その一方で「ノックアウトするシーンをお見せしたいと思っていた」と有言実行もキッチリと果たした。

 完璧な勝利を飾り、リング上で「ネクストモンスターと呼ばれはじめています」とインタビュアーに振られると「まだまだ、おこがましいですけど…」と苦笑しつつも「アメリカでも日本でもたくさん(名前を)覚えてもらえるような試合をして、パウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超越した最強選手)に入っていける選手になりたいと思います」と新たな野望を口にした。