東洋太平洋&WBOアジア・パシフィック・ライト級タイトルマッチが9日、さいたまスーパーアリーナで行われ、2冠王者・吉野修一郎(30=三迫)が挑戦者で元WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(31=横浜光)を負傷判定3ー0で下した。両タイトル2度目の防衛を果たし、デビューから15連勝とした。

 壮絶な打ち合いとなった。鼻血を出した伊藤に対し、吉野はプレッシャーをかけ続けた。第10R(ラウンド)、偶然のバッティングによって伊藤の右目横の傷が広がり、ドクターがチェック。結局、負傷判定で勝利となった。

 勝利の直後、リング上でマイクを握った吉野は「課題です」と第一声は反省の弁。「バッティング、申し訳なかったです。僕の課題です」と負傷した相手を気遣いつつ「伊藤選手の熱い気持ちが1Rから伝わってきました。負傷判定ですが、勝ってほっとしました」と笑顔を見せた。さらに吉野は「世界を目指して頑張っていきたい」と今後の野望も口にした。

 この日のメインは日本ボクシング史上最大規模と言われるWBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(36=帝拳)とIBF同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(40=カザフスタン)の王座統一戦。世紀のイベントのアンダーカードとして戦った吉野は「メッチャ、楽しいです! ヤバイです」と試合後も目を輝かせた。だが、その一方で多くの報道陣に囲まれる状況に「ボク、人前が苦手。記者会見とかホント苦手なんです!」とお茶目な一面ものぞかせた。