3月末まで東京・帝国劇場で上演され、大反響だった舞台「千と千尋の神隠し」に、3人の新潟県出身者が出演している。13日の大阪公演(梅田芸術劇場)開幕へ向け、魚沼市出身のお笑い芸人、おばたのお兄さん(33)、村上市出身の武者真由(39)、新発田市出身の松之木天辺(47)のインタビューを全4回に分けてお届けする。

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-歴史的な舞台に新潟県出身者が3人も出演している。

おばた やっぱり新潟っていい意味ですごく田舎者なので、県民が活躍してくれてうれしいみたいなのが強いんですよね。

-新潟の「県民らしさ」はあるのか?

おばた どうですかね…恥ずかしがり屋みたいなのが結構あるかな。あんまり自分から前に出る人が少なめなのかなと思いますけど…誰が言ってんだって話ですけど(笑い)。お笑いライブで全国に行くんですけど、新潟の方ってすごく温かいんですけど、最前列ってあまり埋まらないんですよ、恥ずかしいとかで。関西とかだと全員最前列くるんじゃないかみたいになるんですけど、新潟の人って2列目、3列目から埋まるみたいな。でもすごく温かいですね。

武者 ちょっと引いていて、でも頑張っているみたいな。いざとなったらパッと前に出られるみたいなね。

-新潟県出身者として舞台に出演する思いは?

おばた 皆さんご存じの一番有名なアニメといっても過言ではない。新潟県民の絆というか、新潟県民ってだけで普段出さないような絆をぼくのなかでは勝手に感じていて、この3人が勝手に新潟県代表として出させてもらっているという感覚があるんですね。なんかそれを応援していただけたら。

武者 私の(出身)地域は、舞台とか見に行くのが遠い地域。ミュージカルとかもなかなか新潟に行かない。そういう中でもこういう風に仕事にしている。夢を持っている人もできるよって。遠いかもしれないけど近い世界かもねって思ったりして、信じて諦めないでねって思います。

松之木 海とか川とか近かったので、こういう原風景みたいなジブリの世界の森とか山とかは当たり前のようにわかる。温泉の湯気がふわってなっているとかは全部新潟で仕込みました。(3人が)新潟っていううれしいつながりができて、よりどころになります。小さい頃から小学校の焼却炉の上で歌謡ステージみたいなものをやったり、学校のベランダで美空ひばりショーとかみせていた。そういう子が大きくなって、帝劇の舞台で、やっているみたいな夢物語みたいなものは全然あるなって思うので、歌ったり踊ったりお芝居したりお笑い好きな人がいたら、ドンドン続けていけばいいんじゃないかなっておもいます。

-再演は新潟でもやりたいか?

武者 やりたいですよね、新潟で。

松之木 やりたいです。新潟はわりと舞台好きですよね。人が集まるイメージがある。

おばた 新潟で本当にやりたいです。おいしいものもあるし。新潟って田舎だから、目に触れる機会が少ないんですよね。目に触れないと志もできないので、そういう機会をぼくらが作って行けたらいいなってすごく思っているので、素晴らしい世界の中で体感していただけたら。

◆松之木天辺(まつのき・てっぺん) 1974年(昭49)4月28日、新潟県新発田市生まれ。98年オペラ劇団「オペラシアターこんにゃく座」入団。04年からコンテンポラリーダンスカンパニー「黒沢美香&ダンサーズ」などでダンサーとして活動。17年から香川県・小豆島を拠点に創作活動をスタート。ミュージカル「ラ・マンチャの男」など出演。178センチ、血液型B。

◆武者真由(むしゃ・まゆ) 1982年(昭57) 8月1日、新潟県村上市生まれ。昭和音楽大学声楽科卒業後、05年ミュージカル座入団。舞台を中心に活動。ミュージカル「ロイヤルホストクラブ」、ミュージカル「コンチェルト」、ミュージカルコメディー「ロイヤルホストクラブ」、舞台版「こちら葛飾区亀有公園前派出所」など出演。156センチ、血液型A。

◆おばたのお兄さん 1988年(昭63)6月5日、新潟県魚沼市生まれ。日体大卒業後、東京NSC18期生で、13年にお笑いコンビ、「ひので」としてデビュー。16年に解散後はピンで活動。小栗旬のモノマネで注目を集める。21年、ミュージカル「ウェイトレス」など出演。妻はフジテレビの山崎夕貴アナウンサー。166センチ、血液型B。