政治学者の姜尚中氏(71)とジャーナリストの青木理氏(55)が10日、タレントの関口宏(78)が司会を務めるTBS系情報番組「サンデーモーニング」に生出演。ウクライナ侵攻を続けるロシアの戦争犯罪について言及した。

 番組では、プーチン大統領を拘束し、戦争責任を追及するのは主権の壁に阻まれ難しいとした上で、法の支配の重要性と課題を取り上げた。

 関口が「専門家の方が『世界が法の支配のもとにある』と。だけど、どうしても抜け道ができる。国連なんて抜け穴だらけ。どうしてもっと力を発揮できないのか。イライラすることがある」と話すと、姜氏は「法の支配は何らかの形で法を執行する機関が必要。法は強制する力に裏付けられていないといけないが、ICC(国際刑事裁判所)は安保理理事国の拒否権の壁がある」と指摘した。

 その上で、米ブッシュ政権時のイラク戦争が国際法違反だったとし、「あの時のブッシュはプーチンと同じ。プーチンの悪党の論理からすれば『アメリカのイラク戦争は何だったんだ。何十万も殺して誰一人裁かれていない。だったら俺だって』となる。アメリカがダブルスタンダードをやらないようにしないと、この問題は解決されないと思う」と述べた。
 青木氏も「なぜこうなったのか。プーチンは悪なんだけれど、先ほどブッシュJr.政権の話も出たが、各国がどういう振る舞いをした結果としてこうなったのか。空間軸、時間軸を長くしながら、じっくりと考え直すということが必要という気がします」と語った。