〝らしさ〟が垣間見えた。ゴルフの国内女子ツアー「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」最終日(10日、埼玉・石坂GC=パー72)、首位と2打差の3位から出た上田桃子(35=ZOZO)が1イーグル、3バーディー、2ボギーの69をマーク。通算9アンダーで逆転Vを飾った。

 とことん勝ちにこだわった。以前は優勝を狙える位置で終盤戦を迎える際には「いろんなことを前夜に考える。いつもは考えすぎてよくない方にいく」との経験から「強い気持ちで覚悟を持って戦う。絶対勝つと思ってやると決めていた。『普段通りで』と考えるとそれでダメになることが多いので」。1番パー5でツーオンを狙ってイーグルを奪うと、2番パー3もバーディー。序盤から攻めのゴルフを見せ、昨年5月の「パナソニックオープンレディース」以来となるツアー通算17勝目を挙げた。

 現在開催中の米男子ツアーメジャー初戦「マスターズ」で受けた刺激も、勝因の1つだ。今年の祭典には昨年2月の自動車事故から復帰したタイガー・ウッズ(米国)が出場。「やっぱりタイガーがプレーをしていると、周りの人がワクワクした目をしている。タイガーってカッコいいと思いながらこの3日間もテレビを見ていた」。上田はウッズの勝負服と同じ赤のウエアを着用し、随所で観客を沸かせた。

 強い気持ちとスーパースターのプレーで自らを奮い立たせた一方で、最終18番のボギーには不満顔。「最後のようなミスをしているようでは、まだまだ」と悔しさをのぞかせたが、この向上心が長年ツアーで結果を残せる要因だ。