新垣結衣:初大河は「反省ばかり」も、三谷幸喜の言葉に「全部が報われた」

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に八重役で出演している新垣結衣さん=NHK提供
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NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に八重役で出演している新垣結衣さん=NHK提供

 俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)に八重役で出演している新垣結衣さん。新垣さんは今回が初の大河ドラマで、かつ本格的な時代劇やNHKの連続ドラマも初挑戦となった。所作を含めて「初めてのことがたくさんあった」という撮影を通じて、「成長できたかどうかは分からないのですが、経験としては一つ、自分の身にはなったのかなって思っています。反省しかないですけど」と率直に明かす、新垣さんが今の思いを語った。

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 「鎌倉殿の13人」は61作目の大河ドラマ。脚本は、2004年の「新選組!」、2016年の「真田丸」に続き3度目の大河ドラマ執筆となる三谷幸喜さんで、後の鎌倉幕府の二代執権・北条義時(小四郎、小栗さん)が主人公。野心とは無縁だった若者が、いかにして武家の頂点に上り詰めたのかを描く、予測不能のエンターテインメント作だ。

 演じる八重は義時の初恋の人で、源頼朝(大泉洋さん)の最初の妻。ドラマには第1回「大いなる小競り合い」(1月9日放送)から登場し、平家を恐れる父・伊東祐親(浅野和之さん)と愛する頼朝との間で板挟みとなり、苦悩する姿が描かれてきた。しかし、祐親は頼朝の軍勢に敗れ、その後、頼朝の命を受けた善児(梶原善さん)によって、暗殺。残された八重は、義時が所有する江間で暮らすことになり、やがて、義時の思いを受け入れる……。

 ターニングポイントとなったのが第13回「幼なじみの絆」(4月3日放送)。終盤、木曽から戻った義時は、土産を手に八重の元へ。「私と八重さんは幼なじみ。私の思いはあの頃からずっと変わりません。私はそれを大事にしたい。八重さんに振り向いてもらいたい。そんな大それたことはもう考えません。振り向かなくても構わない、背を向けたいのなら、それでもいい。私はその背中に尽くす。八重さんの背中が幸せそうなら、私は満足です」と告げる。それより前に義時から「いつか、八重さんに笑いながら『おかえりなさい』と言ってほしい」と言われていた八重は、ここで「お役目、ご苦労様でございました。おかえりなさいませ」とほほ笑んでみせた。

 新垣さんも「あのシーンで、初めて八重さんが小四郎の思いを受け止めたというか。『八重さんの背中が幸せそうなら、私は満足です』という言葉をきっかけに2人の関係性が大きく変わった大事な場面で、そう思いながら撮影にのぞみました。以前からインタビューでも『小四郎の表情がとてもすてきなので楽しみにしてください』と言ってきたのですが、とてもすてきなシーンだったと思います」と振り返った。

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 演じる八重については、どう感じてきたのか。新垣さんによると性格は「頑固」で、「意志を強く持っているし、自分の思いに忠実に行動できる」女性だとか。

 「史実の八重さんとドラマの中での八重さんの印象はだいぶ違う」とし、「『生きる』ってことに対して強い意志を持っていて、そこはいいところだと思いますし、すがるものを見つける力があるというか、諦めない力があるというか、そう思っています」と結論づける。

 八重の魅力とは、その意志の強さで、新垣さんが演じる上でとても大事にした部分だという。「もちろん、台本次第とは思うのですが、自分が大事に思っているものに対しては揺るがないという、意志の強さは私も貫きたいなって思っていました」と明かしている。

 そんな八重の魅力を体現できているかどうかについては、新垣さんの中では「反省ばかりです」と評価は厳しめ。それでも脚本の三谷さんからは「『自分が思い描いていた以上の八重さんになりました』と言っていただきました」と告白し、「全部が報われたというか、安心したというか。反省の気持ちは消えないんですけど、そう言っていただけてよかったなって」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。

 ※クレジット(敬称略)

 ヘアメーク:藤尾明日香/スタイリスト:道券芳恵

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