〝旋風〟を再び――。卓球の杭州アジア大会代表選考会最終日(10日、東京・赤羽体育館)で東京五輪団体銀メダルの平野美宇(21=木下グループ)が、女子シングルス代表権を獲得した。予選B組を3戦全勝で突破した平野は決勝で木原美悠(17=エリートアカデミー)に4―0でストレート勝利。「最初から自分のペースで試合することができました」と充実感をにじませた。

 2年後のパリ五輪に向けて大きな決断を下した。2016年7月から所属していた日本生命と契約満了となり、今月2日に木下グループに所属することが発表された。拠点を神奈川に移し、エリートアカデミー時代に指導を受けた中沢鋭氏(木下アビエル神奈川監督)と〝再タッグ〟を結成。「練習を見てもらって自信につながった」と早くも手応えを感じている。

 そんな平野について、日本卓球協会の宮崎義仁強化本部長は「環境を変えて心機一転『やってやるんだ』という気持ちが前面に伝わってきた。今までここ一番しか出ていなかった声が0―0から出ていたし、精神的に充実しているのかプレーに迷いがなかった」と〝変化〟を指摘した。

 17年アジア選手権シングルスでは中国3選手を破り「ハリケーン平野」と呼ばれた。周囲から「今の状態なら中国勢に勝てる」(協会関係者)との声も上がる21歳が、再び卓球王国の牙城を崩しにいく。