〝ミセス初V〟だ。ゴルフの国内女子ツアー「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」最終日(10日、埼玉・石坂GC=パー72)、首位と2打差の3位から出た上田桃子(35=ZOZO)が69で回り、通算9アンダーでツアー17勝目。昨年6月に結婚を発表してから初勝利を挙げた。

 かねてキャディーから「精神的にタフになった方がいい」と指摘されていた上田が、課題を克服した。この日は序盤にスコアを3つ伸ばすも、中盤は思うようなゴルフができなかった。それでも「キャディーさんに自分から『我慢の時間が続いている』『続けていたらいいことがある』と話をしながら回れていた」と振り返った。

 あるメンタルコーチは「優れたスポーツ選手は『メタ認知能力』(自分を客観視する力)が高い人が多い。大舞台でも平常心で臨むことができる」と分析。苦しい場面でも冷静に状況を判断できる〝心の成長〟が好結果につながった。

 その上田は6月2日開幕の「全米女子オープン」(ノースカロライナ州)にもエントリー済み。次なる目標のメジャー制覇へ向けて、弾みをつける1勝となりそうだ。