【ジョージア州オーガスタ10日(日本時間11日)発】連覇ならず――。米男子ツアーメジャー初戦「マスターズ」最終日(オーガスタ・ナショナルGC=パー72)、松山英樹(30=LEXUS)は72と伸ばせず、通算2オーバーの14位で4日間の戦いを終えた。通算10アンダーのスコッティ・シェフラー(25=米国)がメジャー初優勝を飾った。

3日目に77を叩いて優勝戦線から脱落した松山は最終日に巻き返せなかった。1番パー4で1・5メートルのチャンスを外して流れをつかめず、2番パー5ではティーショットをバンカーに打ち込み、刻んだ3打目をグリーン奥のカラーにこぼして、そこから“3パット”のボギー。続く3番でもスコアを落とすも、4、5番の連続バーディーで意地を見せた。

 しかし、その後も出入りが激しく伸ばせない。結局、スコアはスタート時点の通算2オーバーのまま。松山は「6アンダー、7アンダーくらいを目指して頑張ったけど、最初の方がパットを入れることができなくて苦しかった」と悔しさをにじませた。ショット力に定評ある松山は特にパッティングの調子が、スコアを左右してしまう。3日目もグリーン上で苦戦した。

 やはり調整不足が響いた。3月上旬から首や肩甲骨周辺に痛みが出た影響で思うような練習が積めず、初日ホールアウト後には「正直ずっとトレーニングできていなかったので、足の方がしんどい感じ」と苦笑い。実戦に関しても復帰戦となった先週の「バレロ・テキサスオープン」は2日目のプレー中に棄権し、大舞台へは、ほぼぶっつけで臨んだ。

 2日目を終えて2位につけるなど、ディフェンディングチャンピオンの実力を示したとはいえ、メジャーで勝てる状態までには仕上げられなかった。本人は「いいプレーはできなかったが、悪くてもこの位置で回れているのはよかったと思う。パッティング以外はだいぶ戻ってきた。もう少し体力つけて、しっかり練習をしたい」と再起を誓った。「マスターズ」には歴代優勝者が毎年招待される。来年も再びオーガスタに戻ってくる中、松山は「ケガをしないでここに乗り込みたいと思う」。

 その言葉に実感がこもっていた。