ロシア・フィギュアスケート界の「皇帝」と称されるエフゲニー・プルシェンコ氏が主催したアイスショーが「ロシア軍称賛」と批判を集める中、元グランプリ(GP)ファイナル女王のアリョーナ・コストルナヤまでもが〝反旗〟を翻した。

 9日に開催されたプルシェンコ氏のアイスショーではロシア軍を激励する手紙を書くブースが設置され、チケットには同国軍の象徴である「Z」の文字が強調して記されるなどしたため、世界から批判が集中。アイスショーに参加した元世界女王のエリザベータ・トゥクタミシェワはSNSで政治色の強いイベントのあり方に疑問を呈した。

 こうした選手の声に、2019年GPファイナル女王のコストルナヤも追随。ロシアメディア「チャンピオナット」は「コストルナヤはプルシェンコのショーに参加したことについてコメントした」と報じ、同選手がSNSに投稿したコメントを引用した。

「親愛なる皆さん、私は、私たちのショーの前に行われたイベントとは何の関係もないことを公式に宣言します。私たちのショーは(人々を)不快にさせたり、侮辱したり、政治的立場を表明するものではありませんでしたが、この出来事で気分を害された皆さんに心からおわび申し上げます」

 その上で同メディアは「その後、彼女はこの投稿を削除した」としている。イベントに参加した選手たちを〝政治利用〟したプルシェンコ氏に対する風当たりは、ますます強まることになりそうだ。