映画へのキャスティングを持ち掛け、複数の女優に性的関係を強要したとの報道の一部を認め、謝罪した榊英雄監督(51)の妻で、シンガー・ソングライターの和(いずみ=53)が11日夜、公式サイトを更新し文書を発表した。

その中で「皆様にはご心配をおかけしております。私事ではございますが、ご報告させていただきたいことがございます。わたくしは、ただいま夫である榊英雄と離婚に向けて、別居、協議を進めております」と、同監督と離婚協議を進めており現在、別居していると明らかにした。

その上で、和は「わたしだけではなく、娘たちの気持ちを尊重してあげたいという思いが強くありましたので、今後のことを話し合って決めていくのに時間がかかりました。しかしながら、わたしの思いとしては、一貫して、家族がありながらの夫の行為に対して許せないものがありました。一度も榊を許したことはありません」と榊監督を痛烈に批判。「それを『妻から許してもらっている』とコメントするようなことに象徴される、耐え難い行き違いがありました。わたしも被害者なのです」と、自らも、そして2人の娘も、榊監督に裏切られた被害者であると訴えた。

和は、3月17日に都内や配信で行われたライブにゲスト出演し「傷つけてしまった女性のみなさんに、謝らせてください。本当にすいませんでした」と夫の件を謝罪。その上で「夫婦関係というのをけじめはつけようかな、と思ってはいる」と離婚の意思を示唆していた。それから1カ月近くが経過した中、和は「妻として、母親として、今家族を世の中にさらさなければならないような状況を作った夫を容認して生きていくつもりはありません。今わたしがすべき事は、娘たちを全力で守る事と、わたし自身の心を守る事です。取材に来てくださる記者の皆様、どうかこのことに関しては、榊自身の問題であると思いますので、今後、家族に向けての取材、ご近所の方への突然の訪問取材などはご遠慮くださいますよう、心からお願い申し上げます」と取材の自粛を求めた。

榊監督は、一連の性行為強要報道が文春オンラインによってなされた3月9日、所属事務所を通じてコメントを発表。「記事上で、事実の是非にかかわらず渦中の人とされてしまった相手の方々にも、大変申し訳なく思っております」と謝罪。その上で「記事の内容につきましては、事実であることと、事実ではない事が含まれて書かれておりますが、過去のことをなかった事には出来ません」と報道の一部を事実と認め「それをしっかり肝に銘じ、これからの先へ猛省し悔い改めることを誓い、人を、日々を大事に生きていきたいと思っております」とした。

その上で「蜜月」「ハザードランプ」ともに映画音楽を担当した和ら家族にも「かけがえのない大切な家族を傷つけ悲しませてしまったことを、本当に申し訳なく思っております」と謝罪した。その上で「関係者の皆さま深くおわびするとともに、今後の対応に関しましては専門家と話し合いの上、進めていきたいと思っております」としていたた。

ただ3月9日夜に、同25日に公開予定だった映画「蜜月」の製作委員会が公開をいったん、中止し今後については、全て未定と発表した。さらに同31日には、4月15日に公開予定だった映画「ハザードランプ」の公開が中止となったことも発表された。

◆和(いずみ)1968年(昭43)12月11日生まれ。兵庫県出身。1990年、ソニーSDオーディション「VOICE」でグランプリ。92年、橘いずみとして「君なら大丈夫だよ」で歌手デビュー。「失格」「永遠のパズル」などがヒットし、日本武道館公演なども行った。06年の結婚を機に榊いずみ、その後、和に改名。榊監督との間に2女。榊監督作品の音楽全般も担当してきた。森進一、上戸彩、高橋みなみらへの提供曲もある。