【ミシガン州デトロイト発】WWEで、〝インドの新怪人〟ヴィア・マハーンがロウ本格侵攻を開始した。

 先週のロウに姿を現したマハーンは、レイ&ドミニクのミステリオ親子を襲撃。今週は若手のドミニクを相手に一騎打ちに臨んだ。長髪でヒゲ面、額のペイントに巨体と入場から強烈すぎるインパクトを与えると、豪快なタックルからボディーアタックでドミニクを吹っ飛ばした。

 ドミニクのスーパーキックにもたじろがないインドの怪人は、場外でプランチャをキャッチ。そのまま怪力でドミニクの体を場外フェンスに叩きつけた。さらに振り下ろすような独特のフォームでラリアートだ。リングに戻っても、ラリアートからドミニクの背中にヒップドロップの猛攻。最後は変型ネックロックでタップさせ、圧勝してみせた。

 試合後も合掌から、ドミニクの首を両腕でひねり上げて暴行を続ける悪漢ぶり。首を痛めたドミニクは、ストレッチャーで緊急搬送されるほどの大ダメージを負った。

 試合後にインタビューを受けたマハーンは観衆の大ブーイングを浴びながら「オレ様はあらゆるヤツらの心に恐怖を与えてやる!」と不気味に宣言。自身のツイッターにも「オレ様の邪魔にならないように道を空けたほうがいいぞ」と記し、ロウ制圧に自信をみせた。

 久しぶりにWWEマットに登場した〝インパクト大〟のレスラー。いったい、この「ヴィア・マハーン」とは何者なのか? 複数の米メディアによれば、インド出身のマハーンはなんと元プロ野球選手で、インド初の米メジャーリーガーを目指していたという。

 クリケットが盛んなインドも、野球は発展途上国。左投げの投手だったマハーンはピッツバーグ・パイレーツと契約し傘下のチームでプレーした。インド国籍の選手として、米プロ野球の試合に初めて出場したが、故障でメジャーリーグでのプレーはかなわなかった。それでも、マハーンの果敢な挑戦はディズニーの「ミリオンダラー・アーム」で映画化されたほどだった。

 2018年にWWEと契約してプロレスラーに転向。NXTやロウに出場していたが「ヴィア・マハーン」となってからは先週、初めてロウに登場した。

 インド系レスラーと言えば、レジェンドの〝狂虎〟タイガー・ジェット・シンに始まり、WWEでもグレート・カリやジンダー・マハルが活躍してきた。レスリング強国のインドから現れた元プロ野球選手が〝プロレス界のメジャーリーグ〟で成功できるか。注目を集めそうだ。