スピードスケート女子で2018年平昌五輪500メートル金メダルの小平奈緒(35=相沢病院)が、〝終わりの始まり〟に意欲満々だ。

 13日に自身のインスタグラムを更新。「報道でもあった通り、今年10月の全日本距離別選手権大会の500mを、スケート競技人生のラストレースとすることを決意いたしました」と切り出すと「身体が限界だったわけでも、心が擦り減ってしまったわけでもありません。むしろ、生まれ持った身体を上手に使えるようになったり、嬉しいことも試されるなような試練も震える程に心を動かしてこれたなぁと、そんな喜びで満たされていくような日々を送ることができました」と、率直な心境をつづった。

 W杯では500、1000メートルで合わせて34勝をマーク。その一方、北京五輪は本命の500メートルで17位に終わった。喜びも悔しさも味わった競技人生については「スケートというスポーツを通じて、こんなに密度の濃い時間を過ごせているのも、出逢いにとても恵まれていたからだと思います」と振り返る。

 さらに「名前を出し始めたらきりがないので、どこかで直接お会いできた時に、きちんと感謝の気持ちを伝えたいです」と感謝を述べる機会は〝対面〟を希望した。

 そうした中、世界一になるためにライバルよりも汗を流してきた小平は、こんなエピソードを挙げた。

「オランダで昔のチームメイトやコーチに、この事を呟いた時『その500mのために、夏のトレーニングをするの?』と、とても驚かれました。私は当然のように『そうだよ』(え、私何かおかしいことしようとしてる?)と言いました」

 続けて「どうやら、私は皆んなが思う『辛い夏場のトレーニング』を何年も面白くやってきたようです。これからその夏場のトレーニングが始まります」。周囲を驚かせた〝熱々トレーニング〟はラストレースに向けても実施するという。

「スケート人生で初めてゴールを決めたので、どんな心境でスタートと向き合えるか楽しみです」と小平。「時は待ってくれないし、時は戻ってもくれない。だけど、時は待ち望むことができるし、時は進めることもできる。自分に与えられた時間だから、思う存分使っていきます」(原文ママ)と残り半年を有効活用するつもりだ。