中日・勝野昌慶投手(24)が白星ならずも異例のお立ち台に上がった。

 今季3度目の先発となった13日の阪神戦(バンテリン)で最長の7回まで投げ、8奪三振2安打無失点の快投を披露。チームは延長10回にサヨナラ勝ちしたが、それまでに打線の援護はなく、昨年4月28日の阪神戦以来、登板15試合目でも白星はつかめなかった。

 それでもサヨナラ打を放った大島とともにお立ち台に上がった勝野は「最近はストライクゾーンで勝負できている。強い真っすぐでいけたので良かった。チームが勝つために投げているので、とても良かったと思う」と笑顔を見せた。

 直球は2年ぶりに最速150キロを計測。ウエートトレなどに励んだことで昨季よりも体重は8キロ増加し、現在は90キロオーバーするなど、球の力強さにつながっているという。

 この日の試合前練習中に立浪監督と約束を交わしていた。指揮官から「7回まで行くんか?」と聞かれた勝野は「今日は四球を出しても7回まで投げます!」と宣言すると、指揮官に「行かせるぞ!」と言われていたことを明かす。

 前回5日のヤクルト戦(神宮)では3点リードの6回まで3失点と粘投したが、7回に先頭に四球を与えたところで降板。後を継いだ清水が同点3ランを被弾したため白星を逃していた。「前回、失敗していたので、今日はゼロで帰ってこれて良かった」と前向きに話す。

 約1年ぶりの勝ち投手はお預けとなった勝野だが今後も「自分のやれることをしっかりやって、なるべく相手に点を与えず、今日はバントにも成功したし、打撃の面もやれることやって勝ちにつながれば最高だと思うので、我慢強く粘りながらやっていきたい」ときっぱり。 

 立浪監督も「今年はまだ勝ちはついていないが、ストライクゾーンの中でどんどん勝負できている。ちょっと今は我慢の時期で、また打線が打ってくれる時はあるので、辛抱してまた次の登板に備えてもらいたい」と〝勝てない男〟返上へ期待を寄せた。