【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑461】近年、米国で注目されているUMAに「スキンウォーカー」というものがある。もともとはネーティブアメリカンの伝承に登場するもので、森や荒野にすみ、人間に化ける怪物とも邪悪な呪術師が獣の毛皮をかぶって変身するとも言われている。体長は2メートル近く、手足が長く背中が曲がっている。頭には毛がなく、それどころか全身裸のように見える。目はランランと光っており、ライトを反射して輝く様子がカメラに捉えられることも多い。

 そんな変幻自在の怪人UMAのスキンウォーカーが、なんと森の中で木に擬態する様子が捉えられた!?として話題になっている。

 問題の動画はShmaelynというTikTokアカウントの女性のもとに視聴者から届けられたものだそう。その動画には、まるで道路を横切って移動するように見える木の姿が映っているのだという。自分のもとに届いた動画を紹介しながら、彼女も「この木を見て。なんだか自分で歩いているように見えるわ」と興奮した様子で話している。

 確かに動画には、山の木のうちの一つが斜めに揺れ。動いていく様子が捉えられている。動画の視聴者からも「いったい何?」「木に腕が生えているように見える」といった感想が寄せられていた。Shmaelynさんはこの動画から、「姿を変える伝説の怪物スキンウォーカーが森の中で木に擬態していたのではないか」と考えたそう。

 なぜスキンウォーカーの名前が出てきたのかは分からないが、現代の米国で「自在に姿を変える」という特徴を持つ怪物で一番有名だったのがスキンウォーカーだったからかもしれない。日本だと狐や狸が出てきそうなものだが、これはお国柄と言ったところか。

 一方で、相当数の視聴者から「伝説のスキンウォーカーは通常、植物ではなく動物に変身する」という指摘も寄せられていた。「スキンウォーカーは動物にしか変身しない。彼らはイー・ナールドルーシイと呼ばれ、四つんばいで歩き回るものという意味だ」という詳しい人からのコメントや「木が切り倒されているだけなのではないか。人が根元にいるため、隠れてしまっているにすぎない」というコメントもあった。

 筆者はさまざまなUMAを紹介しているが、「歩く樹木」という事例は前代未聞だ。妖怪に目を向けると「樹木子」や「万年竹」などの名前が挙がってくるが、これらの妖怪はいずれも昭和の創作妖怪。日本古来の妖怪にも木霊や古い木の精霊の話があったりするが、こちらは樹齢の長い大木に精霊が宿るというものなので、古木が自分から根を引き抜いて歩き回ったりするような話は聞かない。

 果たして、謎の「歩く木」の正体は何なのか。気になる人はぜひ動画を見てみてほしい。

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