明石家さんま(66)が16日、宮城県石巻市で行われたプロデュースアニメ映画「漁港の肉子ちゃん」(渡辺歩監督)の上映会&トークイベントに出席し、同作で声優デビューした木村拓哉、工藤静香夫妻の長女でモデルのCocomi(20)の成長について語った。

漁港の船に住む訳あり母娘・肉子ちゃんとキクコが紡ぐ感動のハートフルコメディーで、主人公の肉子役を大竹しのぶ、キクコ役をCocomiが務めた。さんまは「Cocoちゃんが10何歳くらいの頃に声優の勉強してるって言うんで、『今度アニメ作るから、将来、主役お前な』って全く冗談で言って」といきさつを明かし「俺も覚えていたけど、Cocoちゃんも覚えていて。約束を守らなあかんから、1度オーディションだけ来てくれと言って。ナレーション読むだけなんですけど、テストしたら監督が『おお~』って」とすぐに起用が決定したという。

渡辺監督によるとCocomiの声の美しさが起用に至った大きな理由だったといい、さんまは「声が美しいって僕、言われたことないし。美しい声って何なん」と笑わせた。せりふには関西弁が多く使われていたが、Cocomiが猛練習を重ねて乗り切っていたとも明かし「初めての芝居で、家でも練習してきて、木村も多分結構教えたんだと思います。言えない方言があったら、全部せりふのところに音楽の音符で書くんですよ。関西弁でこの出来栄えにもっていったというCocoちゃんのすごさを感じましたね」とたたえた。

映画の試写会での木村とのエピソードも明かした。さんまは「木村が家族で来ていて。言いましたよ。『お前、仕事せんでも大丈夫やで。Cocoちゃんが稼いでくれるから』って。それぐらい器用で。勉強をかなりしてきてくれて。すごく家で練習したのが見ていてわかりました」と感謝も語った。

同作は原作者の直木賞作家、西加奈子氏が石巻市を訪れたことで生まれ、同作に感銘を受けたさんまのオファーで映画化。昨年6月に公開された。約1年越しで実現した上映会は同市のマルホンまきあーとテラス大ホールで開催。さんまと渡辺監督が登壇した。

映画は第45回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞や、第49回アニー賞の長編インディペンデント作品賞ノミネートなど国内外の映画祭で評価されており、米国やタイなど海外でも公開。4月15~21日には東京、大阪でのアンコール上映も行っており、東京はTOHOシネマズ日比谷、大阪はTOHOシネマズなんばで上映している。