東京・後楽園ホールが60周年を記念して初開催したプロレス興行「還暦祭」(16日)で、新日本プロレスの人気ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」が唯一無二の存在感を発揮した。

 新日本と全日本プロレスの選手が参加したこの日の大会では内藤哲也、鷹木信悟、高橋ヒロム、BUSHIが組んで真壁刀義、本間朋晃、青柳優馬、青柳亮生組と8人タッグマッチで対戦した。開始早々に優馬との対峙が実現した内藤だったが、相手の闘志を空回りさせるかのように触れることなくヒロムにタッチ。初対戦の相手を翻弄するのはこの男の十八番だ…。

 そんな態度に天罰が下ったのかユニットリーダーの宿命か、内藤は敵軍の集中砲火を浴びて窮地に陥る。真壁と本間のサンドウィッチラリアート、亮生の低空ドロップキックから本間のこけしロケットと怒とうの猛攻にさらされる。

 さらに本間にセカンドロープからのこけしロケットを決められた内藤だったが、こけし落としを回避するとLIJの波状攻撃からジャックナイフ式エビ固めで押さえ込む。これをカウント2で返されると、必殺のデスティーノで振り切って激闘に終止符を打った。

 新日本マットでは5月1日福岡ペイペイドーム大会でIWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカへの挑戦を控えている。内藤は「次のシリーズ(18日、名古屋で開幕)に向けて、あくまでも準備運動程度かなと思いながら後楽園ホールに来ましたよ。いつもやってる真壁、本間に大した刺激はなかったけど、青柳兄弟? 2人に関しては少なからず刺激をもらえたかな。まあでもちょっとしか絡んでないから。また絡む機会があるのかどうか、その答えは分からないけど、また会う機会があれば、その日を楽しみにしてるよ」と、全日本勢との新鮮なマッチアップを充実の表情で振り返った。

 ともに旗揚げ50周年の両団体が再び交わる場は、現時点では予定されていない。それだけに内藤は「彼らも全日本での試合があって、そっちが大事でしょ。俺も月曜から始まるシリーズ、そして5月1日福岡ペイぺイドームにて行われるオカダとのタイトルマッチが大事だから。まずはそっちに集中しようよ」とキッパリ。

「またいつか会える日を楽しみにしているよ。その日まで、アディオス」と青柳兄弟にメッセージを送っていた。