涙の復活勝利だ。格闘技イベント「RIZIN.35」(17日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)で、浅倉カンナ(24)がSARAMIに復活の判定勝ちを収めた。

 2017年に女子スーパーアトム級トーナメントを制し、RIZIN女子の中心選手となった浅倉だが、昨年は苦戦が続いた。3月に浜崎朱加の同級王座に挑むも1―2の判定負け。10月にはDEEP女子ミクロ級、DEEP JEWELSアトム級の2冠王者・大島沙緒里にまたも1―2の判定負けと、勝ち星から見放されていた。

 試合は静かな立ち上がり。1ラウンド(R)序盤、浅倉は距離を測るようにパンチと蹴りでけん制したが、残り約3分でタックルを仕掛けて組み付く。テークダウンはできなかったが、投げからバックテークに成功するなどペースをつかんだ。

 2Rもタックルでテークダウンに成功。下から三角絞めで捕獲されそうになったが、パワーで脱出。立ち上がってから再びタックルで倒し、パウンドとヒジ打ちでダメージを与えた。

 最終3R、開始早々にパンチを受けてグラつくピンチもあったが、何とか組み付き立て直し、残り3分を過ぎたところでタックルを決める。下から関節を狙ってくるSARAMIをコントロールしながら打撃を放ち、スタンドに戻っても殴り合うなど最後までアグレッシブな戦いを展開した。

 結果は判定3―0で完勝。約1年半ぶりの勝利で連敗を2で止めた浅倉はリングで涙を見せる。そして「2連敗だったので、勝ててホッとしています」と安どの表情だ。

 しかし、その後行われた女子スーパーアトム級王座戦で伊澤星花が浜崎朱加を破って王座を奪取したことを問われると「レベルの高い試合でお互い強かったので、一気に現実(に戻された)というか『自分ももっとやらないとダメだな』と思いました」と厳しい表情。

 そして「少しずつでもタイトルに近づいていってアピールできるように、頑張らないといけないと思います」と再浮上を誓った。