新日本プロレスの米国・シカゴ大会が16日(日本時間17日)に行われ、ジョン・モクスリー(36)がウィル・オスプレイ(28)との死闘を制した。

 世界中のプロレスファンの注目を集めたシングルマッチは、大荒れの展開となった。早々に場外乱闘でオスプレイにイスを投げつけられたモクスリーは額から出血。徹底的に傷口を痛めつけられたが、ドロップキックで場外鉄柵に激突させてオスプレイも流血に追い込んだ。

 これでリミッターの外れた両雄は、互いに一歩も譲らない壮絶な意地の張り合いを繰り広げる。ヒドゥンブレイド(ランニングバックエルボー)をラリアートで迎撃したモクスリーはカーブストンプから高角度パラダイムシフト(ダブルアームDDT)を狙う。しかし、これを着地されると、サイレントウィスパー(変型トラースキック)からスパニッシュフライ、ヒドゥンブレイドと猛反撃にさらされた。

 それでもこれをカウント2で返すと、オスプレイの必殺技ストームブレイカーを回避しパラダイムシフトを発射。そのまま腕を離さず高角度パラダイムシフトへとつないで3カウントを奪ってみせた。興奮のあまり3カウントに気付かないモクスリーは、決着後もオスプレイをスリーパーホールドで絞め上げる。勝ち名乗りを受けるとなぜかレフェリーにまでパラダイムシフトを決める狂犬っぷりだった…。

 大流血戦に終止符を打ったモクスリーは「過酷な戦いだった。オスプレイは才能はあるが生意気なガキだとばかり思っていたが、とんでもない意地を持ったヤツだった。リスペクトしかない。こいつは逃げも隠れもしなかった。俺はいま、コイツをヒロシ・タナハシ以上に認めている」と対戦相手を称えた。

 その一方で約3年前から対戦を熱望している棚橋弘至についても言及。「お前はずっと逃げ回っている。もうこれ以上は待てない。ワシントンDC…お前が俺の挑戦を受けるというなら、これが最後のチャンスだ。挑戦を受けないと言うなら、髪を引っ張って無理やりにでもワシントンDCに来させてやる。この俺がニュージャパンのエースだ」と、5月14日(日本時間同15日)ワシントン大会での対戦を要求した。

 日本のプロレスに造詣深いモクスリーはかねて棚橋へのリスペクトを口にしてきた。「戦って実力を試したいと思っていた。だが、アイツは俺の思っていたような男ではなかった。俺と同じリングに上がることをビビってるんだ。ハッキリと教えてやろう。この俺がアイツをぶっ潰す」と改めて宣戦布告。

 5月1日福岡ペイぺイドーム大会でオスプレイとのIWGP・USヘビー級王座戦を控える棚橋の周辺がにわかに騒がしくなってきた。