鎌倉殿の13人:まさに「鬼脚本」 上総介の“つらすぎる死”と“手習い”シーンの挿入 視聴者も最敬礼

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第15回の一場面 上総広常(佐藤浩市さん)の“手習い”シーン (C)NHK
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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第15回の一場面 上総広常(佐藤浩市さん)の“手習い”シーン (C)NHK

 俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)第15回「足固めの儀式」が4月17日に放送され、佐藤浩市さん演じる上総広常の“最期”が描かれた。御家人たちによる謀反のスケープゴートとされ、源頼朝(大泉洋さん)の命を受けた梶原景時(中村獅童さん)に命を奪われた上総介。SNS上では「上総介の最期、つらすぎた」「ひどすぎる」「涙が止まらない」などと悲しみが広がったほか、「こんなにも魅力たっぷりに描いてきたキャラを無慈悲に殺してくる鬼脚本」という意見もあった。

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 「鎌倉殿の13人」は61作目の大河ドラマ。脚本は、2004年の「新選組!」、2016年の「真田丸」に続き3度目の大河ドラマ執筆となる三谷幸喜さんで、後の鎌倉幕府の二代執権・北条義時(小栗さん)が主人公。野心とは無縁だった若者が、いかにして武家の頂点に上り詰めたのかを描く、予測不能のエンターテインメント作だ。

 第15回では、源義経(菅田将暉さん)率いる一軍が迫っていると知った木曽義仲(青木崇高さん)は、後白河法皇(西田敏行さん)を捕らえて京に籠もる。一方、鎌倉では御家人たちが謀反を計画。広常も加わり、義仲の嫡男・義高(市川染五郎さん)を旗頭とし、都ばかりに目を向ける頼朝の失脚を企む。

 義時は、御家人たちの計画を潰すため大江広元(栗原英雄さん)らと連携。広常とも、実は裏で通じていて、事なきを得たはずだったが、広元の筋書きには“続き”があった。

 広元は頼朝に、見せしめとして誰か一人に謀反の罪を負わせることを進言する。その一人とは広常で、「最も頼りになる者は、最も恐ろしい」という広元に対して、頼朝も「上総介は言った。御家人は使い捨ての駒と。あいつも本望だろう」と冷酷に言い放つ。そして広常は双六の最中、突如、刀を抜いた景時に斬られてしまう。

 瀕死の広常を見下ろす頼朝。泣きながら駆け寄ろうとする義時と目が合った広常は、少しだけほほ笑んで、絶命した。

 終盤、上総介の“手習い”シーンが挿入され、頼朝の大願成就と東国の太平への願いを書き残していたことが判明する。

 「ここであのときの手習いが出てくるのか…脚本家ってヤバいな」「子供の文字にしか読めなかった手習いを、上総介の願文の逸話の伏線にしてしまう三谷脚本すごい。純朴な男の死はいつも悲しいな」「今までみた大河ドラマの中で最悪の衝撃だったけど、手習いしていたことも含め、何かもうずっとフラグ立ってたんだね」「惨殺後にこの手習いの場面持ってくるのね。そしてこれまでの人物造形脚色展開ほんと見事で三谷さんすごくね?」「最後の最後で手習いをここに持ってくるの、三谷幸喜氏の高笑いが聞こえてきそう」と視聴者も深い敬意を払っていた。

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