ロシア出身の元フィギュアスケート選手で指導者のカタリナ・ゲルボルトさん(33)が北京五輪女子銀メダルのアレクサンドラ・トルソワ(17)が5回転ジャンプ挑戦を宣言したことに苦言を呈した。

 ロシアメディア「Sportkp」によると、ゲルボルトさんは「もちろん、挑むのは良いことですが、サーシャ(トルソワの愛称)が最初に挑戦したわけではありません。印象的な例は4・5回転、クアッドアクセルの羽生結弦(27=ANA)です。残念ながら、これまでのところ成功していません。したがって5回転は非常に困難です」と語ったという。

 その上でゲルボルトさんは「そのような要素をプログラムに入れることがどれほど合理的かはわかりません。第1は非常にトラウマ的(ジャンプに縛られてしまうの意)なため、私は反対しています。第2に、残念ながらマルチターンジャンプで、フィギュアスケート自体の概念はなくなりました。プログラムの完全性に疑問の余地はない」と指摘した。

 ジャンプばかりに集中することで自身の演技の幅を狭めるとともに、フィギュア界が目指している美しいスケーティングにも大きな影響が出るというわけだ。

 同メディアは「トルソワが北京五輪で5回の4回転ジャンプを着氷させたのを思い出してほしい。それでも優勝したのはアンナ・シェルバコワだった」と伝えている。