西武の新外国人右腕、バーチ・スミス投手(32)が来日初登板となった19日のロッテ戦(ベルーナ)で7回ノーヒットノーラン投球ながら降板し、4―0の勝利に貢献。初登板初勝利を挙げた。

 来日から2カ月での初登板初勝利にスミスは「やっと今日登板できてようやくチームの一員になれた。チームが勝ったことが一番うれしい」と笑顔を見せた。

 7回まで96球、1四球のみのスミスを迷いなく降板させたベンチの判断の根拠はどこにあったのか。辻発彦監督(63)が試合後「もうダメでしょう(笑い)。あの球を見たら、あの回が精いっぱいでしょう」と言及。豊田投手コーチとの判断で平良にスイッチしたベンチワークであったことを明かした。

 指揮官は続けて「もし8回であの状態だったらいいけど、7回のあの状態を見たらちょっとしんどいかなと。そんな余裕はないです」と明らかに球威が落ちてきたスミスの状態を見ての判断であったことを明言した。

 17日の日本ハム戦で8回まで完全投球を続けていた佐々木朗希投手(20)を降板させたロッテベンチの判断とは全く別の観点での降板であることを語った。

 それでも、スミスのノーヒット投球の価値が下がるわけではない。指揮官は「今日は先に点をやらないように最初から飛ばしてくれという話をしていた。その中でやはり球が速いというのはこういう展開になる。(打者は)追い込まれたら嫌だなという気持ちになるし、早打ちにもなってくる。四球ひとつは出しましたけど、本当にリズム良く投げてくれた。ウチの先発投手にもいい参考になってくると思う」とスミスを称えていた。