ブルージェイズの菊池雄星投手(30)は19日(日本時間20日)に敵地ボストンでのレッドソックス戦に先発し、5回を投げ、3安打1失点、3三振3四球で勝敗は付かなかった。打者21人に91球で最速は97マイル(約156キロ)。チームは1―2で惜敗した。

 菊池は初回、先頭ヘルナンデスをストレートの四球で歩かせると、2番ストーリーにもカウント3―1から四球と苦しい立ち上がり。だが、「状態はブルペンから良かったので、そのうち必ず良くなると(思って)、あまり引きずることなく投げることが出来た」という菊池は3番ディバースに直球で力勝負で挑んだ。2ストライクからの4球目、決め球のスライダーで二ゴロ併殺を打たせ、4番ボガーツは88マイル(約142キロ)のチェンジアップで遊ゴロに仕留めた。

 1点を先制してもらった2回も先頭マルティネス歩かせたが、最速97マイルの直球で見逃し三振を奪って無失点。ところが、3回一死からヘルナンデス、ストーリーに連続二塁打を打たれ、同点に追いつかれる。

 そして4回。直球ややチェンジアップが大きくストライクゾーンを外れる抜け球が再び目立ち、無死一、三塁のピンチ。ここで、一発のある7番ダルベックを投ゴロに打ち取ると、7番アローヨはカウント2―2から96マイル(約154キロ)の直球で見逃し三振。そして9番ウォンの向かってくる痛烈なゴロを身体で止めるように捕球し、一塁へ送って無失点で切り抜けた。

 菊池は「強い打球でしたけど、しっかり捕れたのは、点に絡むところでしたので(良かった)」。続く5回も〝5人目〟の内野手としての見せ場を作る。自らを襲ったライナーをグラブで止めて、投ゴロとした。そして強烈なゴロを止める投ゴロで3つ目のアウトを取ると、レッドソックスファンに大きな溜息をつかせた。

 好守を印象付けた菊池は試合後、「日本で『意味があるのかなあ?』って思いながら(守備練習を)3時間も4時間もやっていましたけど、意味がありましたね」とはにかみながら話すと、「こういう時に役に立つんですね、ホントに。ノックを打ってくれたコーチに感謝です。僕は9年間(ノックを)受け続けたので、皆さんに感謝したいと思います」と続けた。移籍初勝利は逃したが、打球を怖がらない積極的な守備でナインの信頼を得られたはず。次回登板が楽しみだ。