この4月から吉本興業とマネジメント契約を結んだ、元フジテレビの久代萌美アナウンサー(32)が20日、東京・新宿の吉本興業で行われた「吉本興業110周年感謝祭 西川きよしのコツコツ全国ツアー」(6月25日開幕)発表記者会見で司会を担当した。業界関係者を驚かせた久代アナの「吉本電撃移籍」だが、舞台裏を探ると「実は久代アナ、吉本の双方にとってメリット十分の円満契約」だった――。

 久代アナが司会を務めたイベントは、来年で芸歴60周年を迎える吉本の大御所・西川きよし(75)の全国ツアーを大々的にPRするもの。吉本が誇る芸人や、他事務所からのスペシャルゲストも参加し、来年3月の大阪・なんばグランド花月のフィナーレまで全国8か所で開催される。

 注目されたのはイベントの華やかさだ。ともに司会を務めたのはお笑い芸人の陣内智則(47)、ゲスト出演者は超売れっ子コンビ「千鳥」(ノブ=42、大悟=42)に「ダイアン」(ユースケ=45、津田=45)と、吉本の力の入れようが分かる布陣。そこに移籍したばかりの久代アナが起用された。

 吉本入りしてから初めて西川と対面したとあって、久代アナは「前の日は全然眠れませんでした」と緊張を口にしたが、進行は完璧。合間には「(芸人さんのアドリブが多くなるので)台本なんて意味ないんだろうなと思いました(笑い)」と、フジ時代と変わらぬ歯に衣着せぬ物言いで、会場を笑わせた。

 今回の移籍劇は業界関係者の間でも驚きを持って受け止められた。

 芸能関係者は「これまで吉本に、キー局出身の女子アナが所属したことは記憶にない。吉本は、テレビ局を敵に回したくないから、テレビ局を辞めた女子アナを所属させることはなかったんです」と指摘する。

 ところが今回は、久代アナが3月末でフジを退社すると、すぐに吉本とのマネジメント契約を結んだ。

「久代さんの退社も、最終的には吉本からの声かけがなければ実現しなかったでしょう」(同)

 なぜ異例の移籍劇が実現したのか? その理由の1つが、今年3月に開局した「BSよしもと」の存在がある。

「チャンネル拡大に取り組むためには進行、サポートのできるアナウンサーも必要になる。現在は地方局出身でBSよしもと所属になった佐竹美希アナが『ワシんとこ・ポスト』、赤間有華アナが『チーキーズ ア ゴーゴー』を担当していますが、まだまだ女子アナが足りない。元フジの久代アナの存在は戦力補強にうってつけだろうね」と指摘するのはキー局プロデューサー。久代アナは〝BSよしもとの看板アナ〟としての期待をかけられているという。

 また吉本は他の事務所に比べ、記者会見などのイベントを開催することが圧倒的に多い。

「それまではイベントを行うごとに、ギャラを払ってMCを起用してきたが、今後はすべて久代アナに任せられるから、経費節減になる」(同)

 一方、久代アナにとってもプラスは多い。フジ時代は「さんまのお笑い向上委員会」「ワイドナショー」などで活躍していたが、いわゆる〝フジ女子アナステマ疑惑〟に関連して、局内でリーク犯と濡れ衣を着せられたり、夫でユーチューバーのはるくんとの「痴話げんか騒動」が話題になるなどして、2021年7月には「ネットワーク局」へ異動となった。

「女子アナにとってアナウンス業務を外されることほど屈辱的なことはありません。吉本さんでアナウンスのお仕事ができるなら、うれしいはずですよ」(テレビ局関係者)
 自分が1番やりたかった仕事に携われるだけでない。

「吉本のマネジメントでキー局に出演することも増えるのでは? それこそ古巣のフジに凱旋出演なんてこともあると思いますよ」(同)

 久代アナの活躍に注目だ。