【宇野勝・フルスイングの掟】中日・根尾昂外野手(22)の出場機会が少なくて寂しい。2年連続で開幕一軍入りを果たしたものの、スタメン出場は1度だけ。代打や代走、守備固め要員としてここまで(20日現在)8試合の出場にとどまっている。

 今季で4年目。ブレークに期待する中日ファンは多い。登場すれば、あれだけすごい拍手が沸き起こるし、俺も中日時代の「背番号7」の先輩として期待せずにはいられない。

 立浪監督は外野一本で勝負させているが、いっそ本人がずっとやりたがっている遊撃手に再チャレンジさせてみてはどうか。正遊撃手で3試合連続安打の京田は復調気配だが、ここまで打率1割台と低調で、4月いっぱいまでは様子を見ても、ふがいないままなら根尾にチャンスをやるのも手だと思う。

 そのためには根尾も結果を残さないといけない。20日のヤクルト戦に代打で登場し、10打席目にしてやっと今季初安打が出たが、もっともっと打ちまくらないと。高校時代には150キロの直球を投げられても打ち返していたのに、プロでは打てなくなってしまった。頭の良い選手だから、打席に入ってから、あれこれ考えすぎてしまっていることが原因だと思う。

 俺は現役時代、自分の感覚を信じて打席ではマウンド上の投手の雰囲気や腕の振りなどを感じ取ってスイングしていた。それこそ打席ではノー天気でもいいから、狙い球と違った球種が来ても対応できる準備を事前にしておくことが大事だ。真っすぐを狙っていても甘いスライダーならちゃんと反応できなければダメということ。俺は山を張って打席に入ることはなかった。

 とにかく根尾は貴重な代打での1打席を大事にして結果を残し、レギュラーを奪い取ってほしい。プロ野球は結果がすべての世界なのだから、あとは本人が結果を出すしかない。

(本紙評論家)