女子1万メートルで日本歴代2位のタイム(30分45秒21)を持つ不破聖衣来(拓大2年)は、大一番に向けて着々と準備を進めている。

 1月の全国都道府県対抗女子駅伝後に負傷した不破は、右足のアキレス腱(けん)周囲炎の影響で一時は歩くことも控えていた時期があった。指導する五十嵐利治監督によると、ジョギングを再開したのは7日からだというが、17日に行われた日本学生個人選手権に出場。最下位ながらも1キロ3分30秒ペースで走り切った不破について、「目的を果たせたので、シュンとしているとかは全然ない」と語っていた。

 あくまで勝負は世界選手権(7月、米国)の代表選考会を兼ねた1万メートルの日本選手権(5月7日、国立競技場)だ。すでに参加標準記録(31分25秒00)は突破済みで、3位以内に入れば代表に決まる。一部の関係者からは「さすがに日本選手権は厳しいのでは」との声も上がっていたものの、日本陸連が21日に発表したエントリーリストには、不破も順当に名を連ねた。

 五十嵐監督、不破ともに「日本選手権は諦めていない」との考えで一致している。ケガと相談しながらの戦いになるとはいえ、周囲の不安説は気にせず、我が道を最後まで突っ走る。