プロレスで世界平和じゃ! 邪道・大仁田厚(64)が、新たな目標にウクライナでのプロレス興行開催をぶち上げた。ロシアから侵攻を受けているウクライナの情勢を憂慮する邪道は、戦争で傷ついた子供たちのために現地に赴く意向を表明。20年前には戦禍のアフガニスタンで試合を行ったことがあり、再び強い使命感を胸に異国のリングに上がる。

 春の訪れとともに、邪道の活動が活発になってきた。国内では今年、2月6日大仁田興行の1戦のみリングに上がっていた大仁田だが、3月は米国マットに参戦。4月末から5月にかけて国内で3試合の電流爆破マッチを行う。

 米国での試合を「出た試合は全部メインで、観客の反応もよかった」と手応えを強調。「そのおかげか、今度は英国のプロモーターからも話が来たんだよ。まだどうするか決めてないけど、初めて英国で試合をするかもしれない」と明かした上で「せっかくだから英国で爆破もいいよな。ロンドン橋で戦いたい。そうだ、『ロンドン橋爆破』じゃ!」と息巻いた。

 海外の話になるとやたらとテンションの高い邪道だが、途端に声のトーンを変えて「それよりも今、本当に行きたい国があるんだ」と口にしたのがロシアからの侵攻を受けているウクライナだ。

「いろんな情報はあるけど、あの場所で悲惨なことが起きているのは間違いないわけだから。戦争が落ち着いたら、すぐにでも行きたい。そこでプロレスをやって、みんなに元気になってほしい。子供たちにはプロレス教室を開催したりね。ただし、ウクライナでは電流爆破はやりません」

 参院議員時代の2002年9月にはアフガニスタンの首都・カブールを訪問し試合を行った。当時は前年に米国同時多発テロが起き、アフガニスタン情勢が混迷を極めている時期。米国の軍事介入によりタリバン政権が崩壊した直後だったが、当時も「子供たちを元気づけたい」との一心で訪問を実現させた。

 大仁田は「僕の知人に、ウクライナの駐日大使(セルギー・コルスンスキー氏)と知り合いの人がいるんです。そういうつながりも生かし、平和になったらウクライナに行ってプロレスがしたい。こういうのはあれだけど、僕の使命ってそういうことなんじゃないかって」と訴えた。

 ロンドン橋爆破を宣言したかと思えば、ウクライナでの平和を願う――これぞ邪道の真骨頂だ。再始動とともに世界を股にかけて暴れ回る予定で、2022年もあちらこちらで話題を振りまきそうだ。