オリックスが連覇に向けて態勢を強化させた。これまで日米を行き来しながら助っ人補強やメジャー運営のやり方などをアドバイスしてきた長谷川滋利副GM(53)が、今季から球団のデータ班と協力して選手の映像解析に着手。投手を中心に変化を見極め、数字を裏付けたうえでコーチ陣に伝える〝架け橋〟の役割をこなしている。長谷川副GMは「データマンの人って野球経験者が少ないし、現場は数字が専門ではない。うまく橋渡ししてミックスできればいい。どの球団もそこは難しい部分なのかなと思う」と張り切っている。

 各球団ともトラックマン、ラプソード、ホークアイなど最新技術を使ったデータ解析を行っているが、チーム関係者は「現場コーチはどうしても経験から来る指導が優先され、昔ほどではなくても今も精神論や根性野球は残っている。見た目とかけ離れた統計になることもあるし、ピンとこないのは仕方ない。どちらも大事なことで、いかにすり合わせていくか」と見ている。

 そこで日米で活躍し、経験と知見を兼ね備えた長谷川副GMならうってつけの存在とあって「現場をわかっている人に説明してもらえるのは非常にありがたい。コーチだけでなく選手にもどんどんアドバイスしてほしい。話もうまいしね」と期待が膨らむばかり。長谷川副GMの持ち前の〝コミュ力〟が存分に発揮されそうだ。