俳優の内野聖陽(53)が22日、大阪市内で舞台「M.バタフライ」(7月13~15日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)の取材会に登場した。

 文化大革命前夜の中国・北京で、駐在フランス人外交官のルネ・ガリマールが、京劇のスター女優ソン・リリンと恋に落ちるも、実はソンは毛沢東のスパイで男だったという物語。実話がもとになっており、日本では1990年以来、32年ぶりの上演となる。内野がガリマール、ソンを岡本圭人が演じる。

 内野は「フィクションではなく、実際にいたということが興味深い。僕の中で盛り上がっているというか、掘り下げ甲斐がある」と話し、ガリマールについて「人に恋するのは、ある幻想というか誤解というのがある。僕は遠い人と捉えていない。特殊に見えるかもしれないが、愛の中には幻想も含まれていると思う」と持論を述べた。

 現在、ロシアのウクライナ侵攻が続いている。ロシアのプーチン大統領は元スパイの経歴を持ち、スパイ活動も盛んに行われているとみられている。

 内野は「政治的なことはあまり掘り下げてない」とした上で、「中国共産党が当時、フランスからの情報を女スパイを使ってまで得ていた。政治の裏の闇のすごさがリアリティーとして感じている。政治的には全然今と変わらないかもしれないですね」と重ね合わせた。

 東京公演は新国立劇場小劇場(6月24日~7月10日)で行われる。