〝バカサバイバー〟こと青木真也(38)が、16、17日の2デイズで行われた格闘技イベント「RIZIN」調布大会に毒ガスを噴射した。中でも、2日目の「RIZIN.35」で行われた3大タイトルマッチを徹底分析。圧巻の強さを見せたホベルト・サトシ・ソウザ(32=ブラジル)に脱帽したかと思えば、敗北を喫した斎藤裕(34)にはまさかの…。


 今回の話題の中心となったのはライト級、フェザー級、女子スーパーアトム級のRIZIN3大王座戦。結果はライト級でソウザがジョニー・ケース(32=米国)に、フェザー級で牛久絢太郎(27)が斎藤に勝ってそれぞれ防衛。浜崎朱加(40)は〝超新星〟伊澤星花(24)に敗れて王座から陥落した。

 まずはメインでケースのバックを取ってから三角絞めに移行し、アームバーで勝利したソウザを「単純に強い。思ったより圧倒的だった」と絶賛。珍しく他人をほめると「バックを取れたら(首を絞める)チョークスリーパーを狙うのが定石。だけど、やられる方もそれは分かっているから徹底的にディフェンスをするわけです」と力説した。

 青木が秋山成勲に喫した3月の敗戦はまさにそのパターン。1R序盤にバックを取りながら耐えられ、2Rの逆転につながった。だが、ソウザが選んだのは青木の様なスリーパーではなく三角絞めだった。ここにその強さの真骨頂を見たという。「サトシは相手が警戒していない三角絞めに入ったじゃん? あれって、今グラップリングで流行っている技術なんだよ。その技術ををMMAにアジャストさせて使っている。そういうことができることこそが、サトシの一番の強みだと思う」と、なぜかうれしそうに声をしゃがれさせた。

 一方、牛久と打撃戦の末に判定負けで王座返り咲きにならなかった斎藤については「コンディションの差。両者ともにいわゆるタフファイトをするタイプで、斎藤はちょうど経年劣化が出始める年齢なんです。それなら20代の牛久が有利なのは明白だろ」と一刀両断。激闘型同士の対決だけに、若くて消耗の少ない牛久が有利だったと断言する。

 その上で「俺もそういうのを感じる時期はあった。斎藤は選手生命を考えるのなら、そろそろファイトスタイルを変えるのを検討してもいいと思う。遅い球や変化球を交えて戦った方がいい。オリックスの星野伸之のようにになれ!」と1980~90年代のプロ野球パ・リーグを代表する軟投派投手を引き合いに、まさかの技巧派転向を勧めた。

 一方で王座移動となった女子スーパーアトム級は「伊澤がとにかく強いのは強い。でも、浜崎もなんか、コンディションが良くなかった気がするんだよな。どこか悪いところがあったんじゃないかなあ…」と首をひねった。3R序盤に浜崎が腕十字で捕獲しかけた場面で逃さなければ勝敗は逆転していたという。その大事な技が解けた理由を、バカサバイバーは「浜崎が右足が相手をまたいで、体を押さえておけば決まったと思うよ。でも(またがないのは)柔道のスタイルなんだよね。大事な場面で柔道の動きが出て逃げられた」と話した。

 青木の毒ガスは16日の「RIZIN TRIGGER 3rd」も容赦しない。メインでルイス・グスタボ(ブラジル)にリベンジ戦を挑むも2RKOで返り討ちにされた矢地に「負けっぷりがいい! 負けて輝けるのはスターだからだ。あいつこそプロレスラーだと思う」と妙なエール。関根〝シュレック〟秀樹にTKO負けを喫し、デビュー戦を飾れなかった大相撲の元幕内貴源治こと貴賢神は「まずはやせないと話にならない」と切り捨てた。

 最後に、自身も3月26日に秋山成勲にTKO負けを喫して以来となる「ONEチャンピオンシップ」での再起戦が決まったことに言及。総合格闘技戦ではないものの〝再起戦〟となるが「いつ復帰しようか悩んでたら、夢枕にケンドー・カシンが出てきて『5月にグラップリング戦に出ろ』って言われたから出ることにしたんだ」と意味不明なことを口走る。

 さらに今後について「目標は、2年以内に(山本)アーセンのお父さんになることです。セコンドで行ったRIZIN.35の会場で唯一仲良くしてくれたのが、あいつだったから。あいつのお父さんになるためなら、何でもするつもりだよ」と話すと、自転車で走り去った。