田中卓志:周囲の期待に応えることで築いたキャリア 初のゴールデン帯MCは、自身の“強み”を武器に

新番組「呼び出し先生タナカ」でMCを務める田中卓志さん
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新番組「呼び出し先生タナカ」でMCを務める田中卓志さん

 お笑いコンビ「アンガールズ」の田中卓志さんがMCを務める新バラエティー番組「呼び出し先生タナカ」(フジテレビ系)が、4月24日から放送される。ゴールデン番組のMCという初の大役を務める田中さんにインタビューを敢行。自身のキャリアを振り返りつつ、ゴールデンのMCに就任しての心境や、目指すMC像などについて語ってもらった。

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 ◇初回の収録から手応え抜群

 第1回放送分の収録は2回に分けて行われ、取材当日も2時間近く収録時間が延長されるなど熱のこもった収録に。初回分の収録を終えてみての心境を、田中さんは、「すごく面白かったし、最初からこんなに満足いく内容の収録になるとは思っていなかった」と明かす。

 特番を経由しない全くの新番組がゴールデン帯で放送されることは“異例”とも言えるが、田中さん自身も「特番もやらずにいきなり番組をゴールデンでというのも前代未聞なのに、しかもゴールデンのMCとして自分は新人なのに、いきなり初回3時間。いったい何個乗っかっているんだというぐらいのスタートで、うまくいくのかなと思っていた」と明かす。

 それでも収録で手応えを得たことで、「すごく良い番組がスタートするなと感じた」と確信し、「間違いなく初回から面白い内容になっていると思います」と好スタートへの自信をのぞかせる。

 ◇知ることができて良かった喜び

 今回のオファーを聞いた際を、田中さんは「正直、『僕みたいな者が……』『自分でいいのかな?』という気持ちもあった」と迷いもある中で、「芸人は大勢いますけど、ゴールデンのMCをやらせてもらえる人は一握り。そう考えたら、こんな貴重な機会は全力でやりたいと思うように」と心境が変化していったという。

 周囲から「こんなに『おめでとうございます』と言われるのかって」と反響の大きさに驚き、「レギュラー番組をやらせてもらっているスタッフさんはもちろん、かつて一緒にやっていた『ヘキサゴン』のスタッフさんも初回収録に来てくれて『いろいろ大変だと思うけど、とにかく気負わずに頑張って』と声をかけてくれたり、お世話になっている有吉(弘行)さんにも『良かったな。お祝いしなきゃ』と言ってもらえました」と祝福の嵐にうれしい悲鳴を上げる。

 そして、「この喜びを知らずに芸人を終わるんだと思ったら、知ることができて良かった。プレッシャーだったり背中を押されている気持ちにもなったりしたけど、反響を受けて収録に臨んだのが良かったかも。皆さんに支えられているなと思えました」と不安を吹き飛ばす原動力になったことを明かす。

 ◇人を見てもキリがない

 同時間帯の他局には高い人気を誇る強豪番組がひしめいているが、「新人ゴールデンプライム帯のMCだから、裏番組を気にしてもしょうがないと思った。どこも強敵なわけだから、新人の自分としては気にせず、まず自分の番組を面白くできたら」と自然体を意識したと話す。

 その中で「自分は大御所でも何でもないから、出演者がリラックスしてやってくれたらいい。柔らかい田中、イジられキャラをやってきた田中だからこそ出せる、みんなの良い部分があればなと思う」と自身の“強み”を武器に、「アンガールズで育ててきたほんわかした空気感と最近やっている時々ブチギレることを織り交ぜ、ほかにはいないようなMCをしていければ」と戦略を語る。

 ゴールデンの初MCに向けて「番組を見ていてMCの動きに目がいくようになった」とイメージトレーニングを行うも、「うまい人のMCを見ても参考になりませんわ」と苦笑い。そこで、「パッションや気持ち、勢いみたいなもの、自分が出せるものでやらないと型を崩す。芸歴21年で培ってきたものでやれたらと思った」と方針転換。

 その真意を、「手元には自分がやってきたものしかない。あとは収録を繰り返しながら、こういうことを言えるなとか広げていけたら。ゴールデン帯のMCに必要なものはもっとあるのかもしれないけど、まずは自分の形でやってみてという感じですね」と説明する。

 ◇求められたことを一生懸命に

 MC決定の発表時、「芸能界に入って一番うれしい!」とコメントしていた田中さんは、「芸人になると決めた時、良い時間で冠番組やれたらと思い、広島から出てきたので。それがかなった番組でもある。そう考えたら良い場所でやらせてもらっている」としみじみ。

 芸人界での自身の位置づけを質問すると、「(自分が思い描いていたプランと)最初から違う(笑い)。別に“キモキャラ”をやると思って出てきてないし、ダウンタウンさんみたいになれると思っていた」とコメント。「若手のころから『ジャンガジャンガ』で出て、そのあと“キモ可愛い”とか気持ち悪いキャラを背負いつつ、ネタの講評もやってきたが、自分がやろうと思ってやってきたことは、あまりない」と意外な言葉を口にする。

 そこには、「その瞬間その瞬間、いろんな人から『こういう仕事どうですか』と言ってもらったものを一生懸命やっていたら、それが良い方向に転がっていったという」といった背景があり、「“キモキャラ”もネタの講評もそう。『一生懸命やってみよう』と思ってやったことが大きい」とうなずく。

 続けて、「今回のMCも『どうですか』と言われた瞬間が“今”であり、一生懸命取り組む中でうまく転がして大きくしていけたらなと思います」と意気込む。目指すべきMCの理想像として、「全然ウケなさそうことを一言で激ウケにするMC。そんなにうまくはいかないですけど、できればそういうことをコンスタントに出せるMCになれたらいい」と目標を掲げる。

 今後どのような番組に育てていきたいか聞いてみると「屋外に出てのロケは将来的にできたら。旅行系のはやりたいですね。あとはCDとか、何かプロデュースやユニットみたいなものができたらやってみたい」と思いは尽きない。

 さらに、「かつて『ヘキサゴン』で一緒にやっていたメンバー、スザンヌは高校卒業したので成長を見せに来てほしい。つるの(剛士)君、上地(雄輔)君らとこの番組で再会しても面白いかなと思います」と“生徒”としての出演を熱望していた。

 「呼び出し先生タナカ」は、毎週日曜午後9時から放送。4月24日の初回は3時間スペシャルで午後7時から放送される。(取材・文・撮影:遠藤政樹)

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