昭和の上方演芸を代表する音曲漫才トリオ「横山ホットブラザーズ」の次男、横山マコト(本名・横山誠=よこやま・まこと)さんが、虚血性心疾患のため、22日に大阪市内の病院で亡くなっていたことが26日、分かった。87歳。25日に通夜、この日午前、近親者のみで家族葬として葬儀を終え、午後に所属事務所が発表した。

事務所によると、マコトさんは、ここまで大きな体調不良はなく、毎朝の散歩を日課としていた。ところが、22日午前に「体調が悪い」と訴え、知人が救急通報。搬送途中で意識がなくなったといい、病院で、診断を受け、亡くなった。

のこぎりを鳴らして「お~ま~え~は~ア~ホ~か~」。上方演芸界を象徴するかのような音曲トリオは、20年12月に亡くなった長男アキラさん、マコトさんと、三男横山セツオ(76)の3兄弟で舞台を続けてきた。

03年には上方漫才の最高峰、上方漫才大賞も受賞。09年、上方演芸の発展に貢献した者をたたえる上方演芸殿堂入りも果たした。

後に吉本興業へ所属し、大阪・なんばグランド花月(NGK)などにも出演していたが、16年10月のNGK出演を最後にアキラさんが体調を崩し、活動休止。マコトさんは「3人やないと、横山ホットブラザーズやない」と言い、以来、セツオともども舞台に出演することはなかった。

この日、三男のセツオは「やっぱり寂しいですね」とだけコメント。担当マネジャーによると、セツオは「兄貴たちがいってしまって、手を合わせながら『待っててな、そっちでホットブラザーズやろな』と言ったら、『まだ、おまえはこんでいい』と言われたわ」と、泣き笑いの様相で話していたという。

お別れの会などは予定していないが、コロナ禍でアキラさんのお別れの会も行えていないことから、所属事務所では「個人的な考えでは、もし、やれるのであれば、アキラも一緒にお別れしてもらえる場を設けられれば…」と話している。