コスプレイヤーの伊織もえ(29)が26日、東京・池袋サンシャインシティで行われた漫画家の桂正和氏(59)の展覧会「40th Anniversary 桂正和~キャラクターデザインの世界展~」(27日開幕)内覧会・トークショーに出席した。

その檀上で、自らの芸名が桂氏のキャラクターから取ったものだと明かした。伊織は桂氏と登壇すると「先生の横で、伊織ちゃんのコスプレで立たせていただくのは、感無量」と口にした。その上で「伊織ちゃんが好きで、無許可で使わせていただいていたので、メチャクチャうれしい…好きです」と告白した。

伊織が指したキャラクターは、桂氏が97年に「週刊少年ジャンプ」で連載した「I''s」のヒロイン・葦月(よしづき)伊織だ。伊織は「伊織ちゃんが好きで、無許可で使わせて頂いていたので、メチャクチャうれしい…好きです」と感慨深げに語った。その上で「先生の作品の女の子、顔がかわいい。せりふも好き…ツボに入ってくる。インプットは、どこから来るんですか?」と尋ねた。

桂氏は、伊織と司会を務めた、よきゅーんに向かって「多分…そういう質問を受けた時、感じるのは僕の中に女性的なものがある。僕が想像できる限りの女性…違和感はないの?」と聞いた。2人が「(伊織に)なりたい!!」と口をそろえると「この2人が特殊なのかも知れない。伊織が好きになったの? あれがかわいいと思ったわけだ?」と、2人に逆質問した。

その上で、桂氏は「I''s」の伊織のキャラクター作りについて「本当にSFもないような漫画にしてくれと言われ、王道の漫画を書こうと思い、ヒネたヒロインにしなかった」と当時を振り返った。そして「研究もしなかったけれど、万人に受ける女子を考えた。俺は、嫌いなんだよな…嫌いというか、面白くない。特色のある色を持たない…誰が見てもかわいい、いいと思われるキャラは、どうかと集中した。人としては面白くない」と語った。

伊織は、トークショー後の囲み取材で取材陣から芸名の件について、もう少し詳しく教えて欲しいと質問を受けると「元々、普通に一般で、お仕事をして生活していたんですけど、コスプレを始める時にコスプレネームを作りたくなり、親友に相談した。全く思いつかないので」と説明。その上で「3つが全部、和風の名前で、その中に伊織があった。私、伊織ちゃんが好きだから伊織ちゃんにすると、駅のホームで話をした。。最初は伊織、その後に、もえがついた」と続けた。

桂氏は、米国の招待制音声SNSアプリ「Clubhouse」(クラブハウス)上で「お話しする機会があり、そこで教えていただきました」と振り返った。その上で「僕、そんな、こだわりないんで、どんどん、使ってって感じ」と笑みを浮かべ“公認”。伊織は「ありがとうございます。正直、話をした時、さんざん、雑誌の表紙とかやっていた状態。先生はお優しくて…」と感謝した。