岸田文雄首相(64)は26日、官邸で韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領が派遣した代表団と面会して意見を交わし、親書を受け取った。

 日本に訪れているのは、韓国の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)国会副議長を団長とする代表団一行。岸田首相はロシアのウクライナへの軍事侵攻や北朝鮮の核・ミサイル活動を踏まえ「日韓、日米韓の戦略的連携がこれほど必要な時はなく、日韓関係は待ったなしだ」とした。

 代表団の訪問の狙いは文政権下で冷え切った日韓関係を改善にあるという。

「日韓関係を重視している。関係改善に向けて、ともに強力していきたい」(尹次期大統領代表団)

 今後、岸田首相と来月10日に大統領に就任予定の尹氏の間で、日韓関係が正常化に向かえば、「米国のバイデン大統領が大歓迎だろう」との見方が出ている。

「日韓関係がよくなれば、バイデン政権は中国と北朝鮮が突きつけている安全保障上の脅威に対抗できます。半導体などの主要製品のサプライチェーン(調達、生産、物流、販売、消費など一連の経済活動)の確保は、中国の干渉を受けなくてもよくなる可能性があります」(自民党議員)

 尹次期大統領代表団は28日まで滞在。自民党幹部らとの意見交換した後、立憲民主党議員とも会う予定だ。