昭和の上方演芸を代表する音曲漫才トリオ「横山ホットブラザーズ」の次男、横山マコトさんが、虚血性心疾患のため、87歳で亡くなった。所属事務所が26日、発表した。同事務所によると、通夜は25日、告別式はこの日、大阪府内で、近親者のみの家族葬として行われたが、通夜には漫才師オール巨人(70)が駆けつけたという。

巨人はこの日、ブログを更新。客席の爆笑を奪った往年の漫才をしのんだ。

巨人は「マコト師匠のお通夜にいって参りました」と報告。「ずーっと僕が借りていた伝統のノコギリ」を三男セツオに返しに行ったことも伝えた。

上方伝統のしゃべくりで頭角を現した若き日のオール阪神・巨人にとって、長兄アキラさん(故人)がノコギリ、マコトさんがアコーディオンをもって奏でる音曲漫才は脅威だった。

「お~ま~え~は~あほ~か~」

ノコギリをたたいて“しゃべらせる”珠玉の技。そこにしゃべくりを加える絶妙の間。巨人はかつて「横山ホットブラザーズさんの後(に漫才をするの)は、ホンマにしんどかった」と話したことがあり、思いをたどってしのぶ気持ちを深めたようだ。

アキラさんが体調を崩した16年10月以降は、マコトさんが「3人でないとあかん」と言い、舞台に立つことはなかった。

ノコギリを借りていた巨人は「やっと『お~ま~え~は~あほ~か~』音が出るようになりました」ともブログにつづった。

また「ホットブラザース師匠に、番組でも、営業でも、劇場でも、いろいろとお世話に成りました」と感謝。「しかし、おもしろかったなぁ~」となつかしみ、あらためて「営業でご一緒して、僕らが師匠の後に出て漫才をするときは、難しかったなぁ~。ホット師匠が会場の笑いをみんな持って行き張るので…」などとしのんでいた。